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※ 補聴器の相談、補聴器外来をご希望の方は、まずは通常の当院外来を受診してください。予約は不要です。
医師による診察、聞こえについての問診、聴力の検査を行います。検査の結果を踏まえて補聴器について説明・相談し、補聴器外来の予約を行います。
(担当医師:髙村 惇)補聴器を耳鼻科で相談する意味
こういう場合に耳鼻科に受診せず、補聴器店に行って難聴と言われ高価な補聴器を購入してしまうとどうなるでしょう。 耳あかの上から大きな音を入れるという状態になり、耳に良いはずがありませんし、購入した補聴器は無駄になってしまいます。
ご高齢でも中耳炎になることはありますし、突発性難聴など治療で治る難聴もあります。 また、慢性中耳炎(鼓膜に穴が開いている状態)がある方は、補聴器をすると、耳だれが出始めたりして中耳炎が悪化する人が多いので、慢性中耳炎を持っている人は定期的に中耳炎の管理をしながら補聴器装用をしなければなりません。
無理して使用した場合には中耳炎も悪化する上に耳だれにより補聴器も故障してしまいます。
聞こえが悪いと感じたら、まずはその原因をしっかり見極めること。それが一番重要です。
補聴器の現状
難聴を補助する方法として非常に有効です。
日本では現在、補聴器適応者は800万人いると言われていますが、高齢化に伴い2025年には1100万人まで増加すると予想されています。
しかし、日本は補聴器の普及率が低いことも指摘されており、日本では難聴の方の15%程度が補聴器を使用している現状に対して、ヨーロッパでは30~40%、アメリカでも25%となっています。
「補聴器の機械が目立つ」「年寄りくさい」「雑音がうるさくて役に立たない」
などのイメージです。
しかし、難聴のまま生活するというのは大きな苦痛を伴います。
「何度も聞き返してしまうので、迷惑かと思い積極的に会話に参加できない」
「テレビの音量を上げてしまい、家族にうるさいと言われる」
「聞こえが悪くなったことで耳鳴りも酷くなった」
車の運転でクラクションが聞こえなかったり、歩いていて後ろから接近する車に気づかなかったり、
安全にも支障を来します。
周囲との会話という刺激がなくなり、認知症やうつ病の発症率が高まるという報告もあります。
補聴器が認知症予防にも
その結果、周囲とのコミュニケーションも不足になりがちです。
補聴器を使うことによって、「聴こえ」が遠いときよりも会話の行き違いがなくなり、周囲の負担も軽減されます。テレビの音量が大きくなりすぎて気を使ってしまい、テレビも自由に楽しめないという方にもお役に立てるはずです。
それだけではなく、難聴によるコミュニケーション機会の喪失はうつ・社会的孤立を招き、認知症のリスクも高めてしまいます。何よりも、難聴から聴覚の刺激が減少し、神経活動が低下して脳の構造変化や変性をもたらします。
また、聴くことに脳の認知資源が多く使われ、多感覚を使った複雑な作業や動作においても、聴覚以外の認知機能の処理能力が低下するという悪循環が見られます。
補聴器外来
当院での聴力検査は電話ボックスのような狭い検査室ではなく、しっかりとした防音室で行います。
補聴器の相談や調整も専用の部屋を使用します。
専用の機材を使用し、補聴器の効果を確認・調整します。
補聴器外来の流れ
医師による診察、聴力の検査を行います。鼓膜や耳の穴の状態、聴力検査の結果を確認し、難聴の原因を判断します。治療が必要な難聴がある場合はまず治療を優先します。
(耳あかの掃除だけで難聴が改善することもあります)
検査の結果を踏まえて補聴器について説明・相談し、補聴器外来の予約を行います。
検査の結果、聴覚障害により身体障害者に該当する場合、補聴器が公費で購入可能になりますので、診断書の発行や身体障害者手帳の取得を先に行うこともあります。
補聴器の試聴、調整を行います。
補聴器を使用する環境や目的を詳しく伺い、機種の選択を行います。
その上で一旦補聴器を貸出します。
補聴器は検査だけではなく、実際に使用する場所で問題なく使用できるかが非常に重要です。
実際に使用した感想、問題点などお伺いします。補聴器の効果をみる検査を行います(補聴器適合検査)。
その結果も踏まえて再度補聴器を調整し、必要であれば再度貸出します。
補聴器の効果が問題なければ補聴器の機種を決定します。
実際の補聴器を納品します。
装着・メンテナンスの仕方、操作方法の説明など行います。
その後は必要に応じて補聴器の調整を繰り返していきます。
補聴器の調整について
面倒ではありますが、補聴器の調整は一度だけでは終わりません。最初は小さめの音から、徐々に音を大きくして理想に近づけていくことが必要です。
一度難聴になってしまうと、脳自体が「聞こえない脳」になってしまい、それを再び「聞こえる脳」にするには、しっかりと調整された音を聞き続けるという「トレーニングが必要」はなります。また、補聴器特有の聞こえ方に慣れることも必要です。
一度試しただけで購入を検討する必要はありません。機能によっては非常に高価ですので、しっかり試しながら、じっくり検討しましょう。
補聴器の種類
デジタル化により、ハウリング防止(ピーピー音を消す)、雑音防止(周囲の雑音を消して聞きたい音を強調する)、指向性(どっちから音がしているかわかるようにする)など様々な機能がどんどん進化しています。
防水機能や、Bluetoothを使用して音をスマートフォンなどから飛ばすこともできます。
形や色もたくさんの種類から選べるようになっています。
補聴器自体も非常に小さくなり、つけていることが全く分からなくすることもできます。
逆に、デザインや色も様々ありますので、イヤホンのようにオシャレに着けることもできるでしょう。
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耳穴型
耳の穴に入る小さな補聴器です。目立ちにくいのが最大のメリットです。耳の形を採ってオーダーメイドで作成するのが一般的です。 -
耳かけ型
耳の後ろにかける形で装着します。髪の長さによってはほとんど目立ちません。
汗をかくことで故障する可能性があることがデメリットです。 -
ポケット型
イヤホンを装着し、本体を胸ポケットなどに入れて使用します。形状が大きいのでご高齢の方でもスイッチやボリューム調整などがしやすいというメリットがあります。コードがありますので、邪魔になりやすいというデメリットもあります。
耳穴型
耳の穴に入る小さな補聴器です。目立ちにくいのが最大のメリットです。耳の形を採ってオーダーメイドで作成するのが一般的です。
耳かけ型
耳の後ろにかける形で装着します。髪の長さによってはほとんど目立ちません。
汗をかくことで故障する可能性があることがデメリットです。
ポケット型
イヤホンを装着し、本体を胸ポケットなどに入れて使用します。形状が大きいのでご高齢の方でもスイッチやボリューム調整などがしやすいというメリットがあります。コードがありますので、邪魔になりやすいというデメリットもあります。
医療費控除について
平成30年度から補聴器の購入費用が医療費控除として認められるということが厚生労働省、財務省によって承認されました。医療費控除を受けるには補聴器相談医が診察を行い、補聴器が医師等による診療や治療を受けるために直接必要と判断する必要があります。
(当院では補聴器相談医により診察を行います)
医療費控除について詳しくは下記もご参照ください。
→日本耳鼻咽喉科学会『補聴器購入者が医療費控除を受けるために
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月〜火・木〜金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日