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インフルエンザがどんどん増えてきていますが、今回も前回に引き続いて抗生剤の話です(*_*;
またまた今回も長い話ですよ~
でもお子さんが黄色い鼻水を垂らすことが多くて、何回も何回も病院にかかっている方は是非読んでください!
さて、今回のお話は日本鼻科学会がまとめた『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』というものから主にデータを出しています。(なので若干古いのですが、、、)
こちらも検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方はご覧ください。
さてさて、『急性副鼻腔炎』(いわゆる蓄のう症です)という病気については当HPでも解説していますので、まずは是非こちらをご覧ください。
→『副鼻腔炎』ページ
さてさてさて、前置きの長い急性副鼻腔炎についてですが、特に小児の急性副鼻腔炎の原因となる細菌は以下のようなものです。
・肺炎球菌
・インフルエンザ菌(インフルエンザウィルスではないですよ)
・黄色ブドウ球菌
・モラキセラ・カタラーリス
前回、急性中耳炎について書きましたが、原因となる菌は同じものが多いです。
つまり使用する抗生剤もほとんど同じになります。
まず第一に使用すべき抗生剤はペニシリン系のアモキシシリン『ワイドシリン』、『パセトシン』、『サワシリン』。
効果がない場合や重症の時はセフェム系のセフジトレンピボキシル『メイアクト』やセフカペンピボキシル『フロモックス』など。
それでも効果がない場合、重症の場合に最終手段としてカルバペネム系『オラペネム』の出番です。
ちなみに前回もご紹介したニューキノロン系『オゼックス』という抗生剤も副鼻腔炎には有効ですが、小児に対してガイドラインの中では推奨されていません。
『小児において安易な使用は極力避けるべき』とされています。使うとしても重症の中耳炎を併発しているときなどでしょう。
そのほかに使う抗生剤として、マクロライド系のクラリスロマイシン『クラリシッド』、アジスロマイシン『ジスロマック』があります。
『クラリシッド』は肺炎球菌、インフルエンザ菌とも耐性を持っていることが多いのが現状です。よって、あまり使うことはないのですが、このお薬には粘膜を整え、痰を減らしたりする作用もあります。また、このお薬は基本的に菌を殺す(殺菌)ではなく、菌の増殖を抑えるお薬です(静菌)。そういった特徴を考えたうえで使用します。慢性副鼻腔炎やびまん性汎細気管支炎などで少量を長期間内服することもあります。
『ジスロマック』は1日、もしくは3日間のみの短期間高容量で投与するお薬で、副鼻腔炎にはかなり有効性があると報告されています。
さてさてさてさて、またもや長くなっていますが、肺炎球菌を例にして耐性菌のお話を。
肺炎球菌の中でも薬剤耐性によってさらに分類され
・PSSP(ペニシリン感性肺炎球菌)
・PISP(ペニシリン軽度耐性肺炎球菌)
・PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)
となっています。こんなに細かく分類されるくらい耐性菌というのは大きな問題なんですね。
特に低年齢ほど耐性菌の割合が多く、5歳以下の副鼻腔炎で検出された肺炎球菌の7~8割(!!)がペニシリン耐性菌となっています。
なぜ耐性菌がそんなに多いのか、原因は『抗生剤の使い過ぎ』であり、また、中途半端な使用もよくありません。
細菌は抗生剤を使いすぎると進化し、その抗生剤がだんだん効かなくなっていきます。中途半端に抗生剤を使うと、抗生剤が効きにくい菌が生き残ってしまい、増殖します。それを繰り返すと完全に抗生剤が効かない菌の集団が出来上がってしまうわけです。
中途半端な抗生剤の使用、無駄な使用は菌をわざわざトレーニングしてあげているようなものです。
抗生剤の使い過ぎはよくないですが、使うときはきっちりと菌を退治してしまうことも重要!
(症状がおさまったからと言って、途中でお薬をやめないでくださいね(^-^;)
耐性菌は本当に大きな問題であり、特に有名なのがMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)、や多剤耐性緑膿菌などで、ニュースでも集団感染が取り上げられたりします。
ちょっと前に日本でも『カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)』という菌が検出され話題となりました。『スーパー耐性菌』とも呼ばれ、有効な抗生剤がほぼ存在しないわけです。
『カルバペネム系』は効かなくなることがニュースになるくらい重要なお薬なわけですね。
私が総合病院に勤めていたころも『カルバペネム系』を使用するのは本当に生命にかかわるような肺炎などの重症感染症の時だけでした。
そんなお薬なのですが、『オラペネム』が出現したことで小児に簡単に使えちゃうようになったわけです。
(いや、素晴らしいお薬なんですけどね、使い方の問題です。)
そして、軽度の副鼻腔炎であれば抗生剤は必要ありません。
『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』では軽症の副鼻腔炎では小児も成人も、まず抗生剤非投与で5日間経過観察をすることになっています。
(ちなみに急性中耳炎でも軽症の場合は抗生剤を使わずに3日経過観察です。)
そして『鼻処置を優先する』という文言が付け加えられています。
つまり軽症であれば鼻をしっかり掃除してあげるだけで治ることも多いのです。
というより副鼻腔炎発症の初期はウィルス感染が主とされていて、抗生剤使う意味がないとされています。
耳鼻科で鼻水を吸引する。自宅でも小児なら鼻吸い器を使って鼻水を吸ってあげる。それだけで十分なことも多いです。
子供に鼻をかむ練習も是非してあげてください。
なかなか上手にかめない時は連日鼻掃除に通っていただいても全く問題ありません。
また、アレルギー性鼻炎をお持ちの方は副鼻腔炎にもなりやすいですので、アレルギーの治療も重要です。
長々と呼んでいただいた方、有難うございます(^-^;
次回もう一回だけ、抗生剤関係のお話を。
風邪に抗生剤は使わないお話。さすがに最近では当然のお話ですが、やっぱりこの話は知っておいて頂きたいのです。
文章を短くまとめる才能が欲しい...
三学期も始まり、寒い日が続いています。天気予報では土曜日に雪マークが!!
体調にも転倒にもお気を付けください(+_+)
さて、題名の通り、抗生剤についてです。
久しぶりに真面目で長い文章になりますが、非常に大事なことなので、頑張って書いてみます。
抗生物質、抗生剤(抗菌薬)というのは細菌を殺したり、増えないようにするお薬です。
つまり、細菌の感染症に使うわけです。
なので、細菌感染以外には抗生剤は意味がありません。
例えば、一般的に言われる『風邪』の原因の8割以上はウィルス感染です。
なので抗生剤が必要なことはあまりありません。
でも細菌感染かどうか判断に困ったり、二次的に細菌感染を起こすことが心配で抗生剤が使われていることが多いようです。
・抗生剤の種類
ペニシリン系
セフェム系
マクロライド系
ニューキノロン系
カルバペネム系
マクロライド系
などなど様々な種類があります。
例えば、小児の急性中耳炎を例にします。
日本耳科学会などが作成した『小児急性中耳炎診療ガイドライン』というものがあります。基本的な治療方針はどの医院でもこのガイドラインに従っている『はず』です。
検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方は是非ご覧ください。
そのなかでは急性中耳炎に対する抗生剤で一番に選択するべき薬は『アモキキシシリン』というペニシリン系の抗生剤となっています。
『ワイドシリン』、『パセトシン』、『サワシリン』などの商品名で販売されています。
ペニシリン系はもともと体重当たりの使用量が多く、小児でも体重が増えてくると粉薬の量が多くなり飲みにくいということがありますが、『ワイドシリン』は他の薬の1/2の量で良いので、使いやすいお薬です。味も結構美味しく、私は薄いラムネ味のように感じました。
『ワイドシリン』はこんな感じのピンク色のお薬です。
私は研修医時代に感染症に非常に詳しい先生から『抗生剤を上手に使えるかどうかはペニシリンの重要性を勉強しているかどうか』という指導を受けたことがあります。
ペニシリンは100年近く前に発見された世界初の抗生剤ですが、現在でも使用方法をしっかりと考えれば非常に効果的なお薬です。
実際、様々な感染症でペニシリンは第一に選択すべき抗生剤とされています。
2番目に選択するお薬は
『アモキシシリン・クラブラン酸』と『セフジトレンピボキシル』というお薬です。
『アモキキシシリン・クラブラン酸』とは、先述したペニシリン系の『アモキキシシリン』に耐性菌にも効くような物質を加えたお薬です。
『クラバモックス』という商品名になります。
『セフジトレンピボキシル』は『メイアクト』という商品名のセフェム系抗生剤になります。
セフェム系の抗生剤は副作用も少なく、特に中耳炎の原因で多い肺炎球菌という菌に非常に良く効きます。
ただし、『ワイドシリン』もそうですが、『メイアクト』は1日3回内服が必要なお薬なので、保育園などに通っていてお昼のお薬が飲ませられない方には使いにくくなります。
ちなみに『クラバモックス』はこんな感じの包装で、中身は白い粉薬です。
味はイチゴ味っぽく、後味がわずかに苦いです。
『メイアクト』はオレンジっぽい色で、味はバナナ味でちょっと後味が続く感じがあります。
(味については完全に私の個人的な感想です(^-^;)
これらのお薬が効かない、もしくは重症の場合は『カルバペネム系』、『ニューキノロン系』の出番となります。
カルバペネム系は商品名『オラペネム』一般名テビペネムピボキシルです。
ニューキノロン系は商品名『オゼックス』一般名トスフロキサシンです。
この2つのお薬は確かに良く効きます。効果も早いです。
両方とも味も美味しく、においも良いです。
『オラペネム』は後味が若干苦いですが、
『オゼックス』は後味もすっきりです。
(繰り返しますが、味は完全に私の感想です(*_*;;)
では『オラペネム』『オゼックス』を最初からどんどん使えばいいじゃないかという話になるのですが、ここででてくるのが、『耐性菌』というものです。
また後々詳しく書こうと思いますが、抗生剤を使いすぎると抗生剤に抵抗する菌が生まれてきます。実際に昔使っていた特にセフェム系の抗生剤で最近の中耳炎にはほとんど効かないというお薬も結構あります。
つまり、『オラペネム』、『オゼックス』に対する耐性菌が生まれてきて、効かなくなってしまうと次に使うお薬がなくなってしまうのです。
なので、これらの薬はなるべく使いません。中耳炎で使うときには鼓膜切開が必要な状態のことが多いです。
製薬会社もオラペネムでは『第一選択薬ではなく、重症感染症に限定して使用』という位置づけをしています。
こういったお薬が漫然と使われていないか、一度お薬手帳を見直してもいいかもしれません。
強いお薬を使えば効き目は早いし、すぐ楽になりますが、その後のことを考えてお薬は使わなくてはなりません。
特に、これから先が長いお子さんなら尚更です。
(これは本来、我々医療従事者が気を付けなくてはならないのですが、、、)
最近抗生剤の使われ方について色々考えることがあって書き始めましたが、やっぱり1回では書ききれない、、、というわけで何回かに分けて書いていきます。
これからも副鼻腔炎に使用する抗生剤や、細菌の種類や、耐性菌については書いてみようかと思います。
Posted:2017.01.05 | Category: お知らせ
Posted:2016.12.28 | Category: お知らせ
前回の繰り返しになりますが、12月30日17:00まで診療を行います。
インフルエンザの他、咽頭炎、副鼻腔炎の方も増えています。
また、もともとアレルギー性鼻炎を治療している方の症状も悪くなりがちのようです。
旅行や里帰りなど、環境が変わる際もアレルギーは悪くなることが多いです。お薬は忘れずに持っていきましょう。
そして元気に年末・年始を迎えましょう!
Posted:2016.12.24 | Category: お知らせ
だいぶ間が空いてしまいました、、
インフルエンザも流行り始め、患者さんも明らかに増えてきています。
皆さんお気を付けください。
前々回の繰り返しになりますが、年末年始の予定は
12月29日(木)通常通り 9:00~18:30
12月30日(金)~17:00まで
12月31日(土)休診
1月1日~4日 休診
1月5日(木)通常通り 9:00~18:30
となっております。
話は変わりますが、最近取り組んでいることを一つ。
先日、今年当院で補聴器を処方した方々を全員見直す機会がありました。
ということで、一部を簡単にまとめています。
などなど、作成中なので飾りっ気もないですが、、、
まだ補聴器を考えたことのない方にも
『どのくらいの年齢・症状で実際使用しているのか』
『どのくらいの値段なのか』
などなど参考にしていただければと思います。
完成したら院内に掲示します。
では、皆さん楽しいクリスマスを過ごしてください!
Posted:2016.12.12 | Category: 雑談
先週からイルミネーションが光っております!
サンタクロースと『Merry Chiristmas』の文字
やっぱり写真ではわかりづらいですが、、、
そして入口の横にも三人(?)のスノーマンです。
かわいくて個人的には一番のお気に入り。
木々についているライトもよく見たらいろんな形を組み合わせるという変なこだわりを見せています。
そしてイルミネーションのほとんどはソーラー電池で、昼間に充電して暗くなると自動的に点灯するエコな優れものです。
なかなかの出来で、寒空の下頑張って飾り付けた甲斐がありました!
そして入口にはクリスマスツリー!
クリスマス&年末を迎える準備万端です!!
インフルエンザの患者さんも多くなってきております。
健康で楽しい年末にしましょう!
Posted:2016.12.08 | Category: お知らせ
12月から年始の予定です。
12月17日(土) 他院代診のため、副院長不在
年末年始
12月29日(木)通常通り 9:00~18:30
12月30日(金)~17:00まで
12月31日(土)休診
1月1日~4日 休診
1月5日(木)通常通り 9:00~18:30
それから、週末に床の清掃をしていただきました。
前回かけたワックスをきれいに剥がした後に、再度かけなおし。かなり時間をかけてしていただいております。
やっぱり床が輝きを取り戻すと気持ちがいいですね!
なんだか室内が明るくなりました!
写真ではいまいち伝わりませんが、、、
年末に大掃除をされる方も多いと思いますが、ほこりはアレルギー性鼻炎の大敵です。
しっかりマスクをして臨みましょう!
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日