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カロナールという名前の薬を聞いたことがある方は多いと思います。
一般的はアセトアミノフェンという有名な解熱鎮痛剤です。
先月このアセトアミノフェンが品薄になるかも、という不吉なニュースが流れました。
原因は製造メーカーの製造過程で不正があったらしく、出荷停止になったからだそうです。
まったく...|д゚)
カロナールは解熱鎮痛剤として非常によく使われているお薬で、安全性が高く特にお子さんに対しては最も使われているお薬でしょう。
特にこれからインフルエンザが流行ってきたら使用量も多くなる時期なので、なんとか安定して供給してもらいたいとこです(*_*;
さて、この解熱鎮痛剤というお薬。
読んで字のごとく『熱さまし』と『痛み止め』両方の作用を持つお薬です。
なので、インフルエンザで熱が高い時に解熱のためにも使いますし、中耳炎で耳を痛がっている子どもにも使います。
時々、副鼻腔炎などで痛みが強い方に
『痛み止めも処方しておきましょうか?』
と聞くと
『えっ、鼻の痛み止めなんてあるんですか?』
と返事されることがありますが、鎮痛剤は基本的に全身に作用しますので、頭痛だろうが関節痛だろうが耳痛だろうが鼻痛だろうが効果があります。
このアセトアミノフェンは数年前から『アセリオ』という名前で注射薬も登場。
手術後の痛み止めとして、他の痛み止めが使えない方に安心して使えるということで結構重宝しました。
しかし、もちろん全ての薬には副作用があるのでメリットばかりではありません。
鎮痛剤にはたくさん種類がありますので、使い分けが大事。
カロナール、ロキソニン、ペンタジン、ボルタレン、セレコックス、ポンタール、トラムセット、オピオイド系(麻薬系)と言われるモルヒネやオキシコンチンなどなどなどホントにたくさん。
副作用も含めてお薬の使い分けなど、また次回にでも(^^)
とりあえず安定供給を祈るばかりです。
今回は真面目な話題で(^-^;
最近流行っているとよく言われるRSウィルスについて。
RSウィルス=Respiratory Syncytial virus
Respiratoryは『呼吸の』という意味ですので、読んで字のごとく呼吸器系に感染するウィルスです。
1歳までに50%以上の子どもが感染します。
そしてほとんどの子どもが2歳までに一度は感染すると言われています。
2歳以上の子どもは感染しても鼻かぜ程度の鼻水、鼻づまり、咳くらいの症状で終わってしまうことが多いです。
しかし、1歳未満の子ども、特に生後半年未満は重症化することがあり、注意が必要です。
『ゼーゼー』『ヒューヒュー』といった喘息のような音がしたり、顔色が悪い、呼吸が早いなどの症状があれば肺炎や気管支炎などを疑わなくてはなりません。
生後3か月未満の小さなお子さんの場合は、元気がなかったり、哺乳が悪かったりすると注意が必要です。
RSウィルスは当たり前ですが『ウィルス』なので抗生剤は効きません。
RSウィルスに対する抗ウィルス薬もありません。
症状に合わせて対症療法を行うしかないので、解熱剤や去痰薬を処方するくらいです。
RSウィルスは簡易検査キットがあり、鼻水を採取するだけで検査できますが、以下の条件が保険適応です。
◎入院中
◎1歳未満
◎パリビズマブ製剤(シナジス)が適応される乳幼児
パリビズマブ製剤とはRSウィルスの重症化を防ぐことができるとされているお薬です。
早産児や先天性心疾患や肺疾患など、リスクの高い児に対して適応となっています。
検査は0歳児しか保険適応にならないわけですが、これは1歳以上になると重症化することが少なくなるので検査する必要性は減るということです。
検査で陽性になっても他のウィルスによる風邪と同様の治療を行うだけですので、治療方針には影響しませんし。積極的に診断をつける意義があまりありません。
ただ、RSウィルスの感染は結構な頻度で中耳炎を合併します。
アデノやインフルエンザなどの他のウィルス疾患と比べてもその確率は高いと思います。
で、調べてみたところ、、、
2012年の論文を発見
症例数が24例と少なめですが
・2歳未満では、85%が中耳炎合併
・2歳以上では、25%が中耳炎合併
やはりかなり高率で中耳炎を合併するようです。
しかも結構重症の例が多く、鼓膜切開が必要なことも多い。
結論
RSウィルスはただの風邪のウィルスではありますが、小さなお子さんでは注意が必要です。
小さなお子さんがいるご家庭では、うつさないように気を付けてください(^-^)
Posted:2017.10.06 | Category: 雑談
ニュースを見て思わず書き始めてしまいました(^-^;
なんだか話題になっている小池百合子都知事と希望の党が発表した今度の衆院選の公約。
「消費税増税凍結」
「議員定数・議員報酬の削減」
「ポスト・アベノミクスの経済政策」
などなど色々ありますが、さらに「『希望への道』しるべ」として、『12のゼロ』として
(1)原発ゼロ
(2)隠ぺいゼロ
(3)企業団体献金ゼロ
(4)待機児童ゼロ
(5)受動喫煙ゼロ
(6)満員電車ゼロ
(7)ペット殺処分ゼロ
(8)フードロスゼロ
(9)ブラック企業ゼロ
(10)花粉症ゼロ
(11)移動困難者ゼロ
(12)電柱ゼロ
なんと花粉症ゼロとは、、、
スギやヒノキを伐採して花粉の少ない品種に植え替えるという対策は農林水産省で以前から行われていますし、東京都でも平成18年の石原慎太郎氏が知事の時代から同様に対策を行ってきているようです。
しかし、花粉症はもちろんスギ・ヒノキだけではありません。
カモガヤもブタクサもヨモギもあるので、花粉症をゼロにするにはそれらも全て根絶する必要があります(^-^;
花粉症がなくなればもちろん花粉症に悩んでいる方々は大助かりでしょうし、喘息を合併している方も症状が凄く良くなるハズ。
そして製薬会社が悲鳴を上げる|д゚)
な~んて冗談は置いといて、花粉症ゼロは現実的にはほぼ不可能な感じがしますが、できることなら頑張っていただきたいものです(^-^)
ちなみに
百合の花粉は猫に猛毒らしいですね(#^.^#)
Posted:2017.10.05 | Category: 雑談
もう一度10月予定の確認を。
10月7日(土) 院長不在
です。
診療時間等は通常通りです。
前回、髪をばっさり切った話を書きましたが、なぜか普段の記事よりも反響が大きかったようです。
やはり画像にインパクトがあったのでしょうか(^-^;
このブログ、いろんなことについて節操なく書いてますので、医療系以外でも結構引っかかることがあり
例えばGoogle検索で
『熊本 鯖寿司』は3ページ目に出てきます(^-^;
『熊本 手羽先』だとお店のページが多いので11ページ目に後退。
『熊本 ユヴェントス』だと4ページ目。ユヴェントスファンとしてはちょっと悔しい。
なんか1ページ目に出てくるワードはないかと探してみましたが、、、なかなか見つかりません。
耳鼻科関連の検索ワードならたくさんあるよな、、、と思って試しに『熊本 アリナミン』で検索してみると
見事に1ページ目なのですが
...真面目なページの中にふざけた題名のブログが混じってしまいました(*_*;
(ちなみにこの時の記事は⇒コチラ)
内容は真面目なんですけどね、ちょいと恥ずかしい(^-^;
10月が始まったというのに初日からじめじめじめじめしてますね~( 一一)
さてさてさてさて、今月の予定は~?
10月7日(土) 院長不在
です。
今回は院長の方です。例によって診療時間等は通常通りですよ(#^.^#)
さぁ、天気はじめじめですが、私自身はサッパリです(いい意味で)。
髪切っただけですけどね!!
切った量がハンパないんですよ
なかなか凄い量でしょ
集めると完全に一人分のカツラができそうな量になったのですが、結構気持ち悪い画像になったので、ここに載せるのは自重しときます(*_*;
ホントはもうちょい伸ばすかな~って思ってたのですが、身内からの評判が悪過ぎて、、、(:_;)
ブラピ好きな私はこういうのを目指してたんですけどね、、、
そもそもお前はヒゲ生えねぇだろ!身の程わきまえろ!
という意見が多数を占め、道半ばで断念となりました(:_;)
Posted:2017.09.28 | Category: 医療系のお話
『顎関節症』という病名はよく聞くかと思います。
『口を開けるとき痛い』『口を開けるときにゴリゴリ音がする』『口が開けにくい』
イメージとしてこんな症状なのではないでしょうか?
しかし、実は意外と複雑な病気です。
以前は診断基準として
"顎関節や咀嚼筋等の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とし、類似の症候を呈する疾患を除外したもの"
という風なことが言われていました。
つまり上に書いたような症状があって他の病気がなければ『顎関節症』となるわけです。
だがしかし!
2013年に日本顎関節学会が発表した顎関節症の分類は
Ⅰ型 咀嚼筋痛障害
Ⅱ型 顎関節痛障害
Ⅲ型 顎関節円板障害
Ⅳ型 変形性顎関節症
という4つの型に分類されました。
さらに!
当たり前ですが4つそれぞれに診断基準が違います。
しかも結構細かいです(*_*)
もちろんそれぞれに検査も違いますし、治療方法も変わってきます。
共通している治療法は非ステロイド性消炎鎮痛剤(痛み止め)とスプリント治療(マウスピースのようなもの)くらいです。
顎関節症=咬み合わせが悪い⇒歯を削る
なんて治療は今は極力避けるべき治療とされています。
私自身も明らかに顎関節症で、時々痛みが強くなることがあります。
自分で診察するに、Ⅱ型です(^-^;
幸い痛み止めを使うほど痛みが強くなったことは今までないので、ほぼ無視していますが。
痛みがある時に硬い食べ物を避けるくらいです( 一一)
耳鼻科でも見ることが多い顎関節症。
正直、今回いくつか論文を読んで、知らなかった知識もありましたm(__)m
たいていは痛み止めと顎の安静、場合によっては筋弛緩薬などで治っちゃいますが、症状が強い時などは適切な歯科へ紹介させていただくこともあります。
Posted:2017.09.25 | Category: 医療系のお話
かなり久々の更新になっちゃいましたm(__)m
気付けば9月も最後の週になり、私もまた1つ年をとりました( 一一)
誕生日を喜ぶ年でもなくなりましたが(?)、友人達から祝ってもらい久々に結構酔っ払っていい気分でした(#^.^#)
といった雑談は置いといて、、、
最近読んだ医療雑誌からの話題で、題名の話。
アメリカで行われた『Choosing Wisely(賢い選択)』キャンペーンというものに各学会が賛同し、"推奨されない検査"をリストにしています。
それが世界的に広がっており、日本でも広がってきているそうです。
かなり膨大な数の検査がリストアップされていますが、例えば米国耳鼻咽喉科学会からは
・急性副鼻腔炎は軽症ならば画像検査は不要
・突発性難聴で頭部・脳のCT検査は不要
といったものが"推奨されない検査"とされています。
まぁ普通に行わない検査ですね。
世の中には副鼻腔炎の症状の患者さんに対してほとんどCT検査をして、誰にでも手術を勧めるような耳鼻科もありますが、それは完全に"推奨されない検査"であり、"推奨されない手術"です。
というよりひどい話です|д゚)
まぁ置いといて、そのほかいくつか例を挙げると
・PETやCTなどによる癌検診は控える
・単回の失神で脳のCTやMRI検査は不要
・重症ではない喘息や気管支炎で胸部X線検査は行わない
・前立腺がんのスクリーニングの為に安易にPSA検査をしない
などなどなど、たっくさんリストアップされています。
まぁ日本とアメリカとでは微妙に状況が違うと思いますが、1年ほど前に日本でも『Choosing Wisely Japan』という団体が発足しています。
医療費がどんどん増え続けているのはニュースなどでもよく取り上げられています。
無駄な検査を行わないことは医療費の削減に勿論貢献するのですが、検査による有害事象も減らすことができます。
無駄にX線検査やCT検査を行うことは放射線被ばくを増やし、患者さんにとって不利益を生みます。
ただし、検査が本当に必要かの見極めが難しいことってどうしてもあるんですよね~
なんも考えずに検査すれば楽なんでしょうけど。
いらない検査、いらない薬、いらない治療
どれも完全になくすのは本当に難しい話だとは思います( 一一)
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
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