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Posted:2017.11.27 | Category: お薬の話
もうすぐ12月になりますが、12月1日よりデザレックス、ビラノアという2つのお薬の長期処方が解禁となります。
両方ともアレルギーのお薬で、以前にも書いたことがあります。
(⇒2017.2.8『新しいアレルギーのお薬』)
お薬は新しく発売になって1年間は2週間分までしか処方できません。
アレルギーは基本的に慢性的な症状がある方がほとんどですので、1か月分や2か月分処方することも多く、2週間分だと頻繁に通院していただかなくてはならないので非常に不便(-_-;)
アレルギーのお薬は基本的に眠くなってしまうお薬が多いのですが、この2つは眠気がほとんどないので車の運転などが多い方も安心して使えます。
2つの特徴としては
デザレックスは12歳以上、ビラノアは15歳以上で使えます。
どちらも1日1回内服。
デザレックスはいつ飲んでも大丈夫ですが、ビラノアは食事の影響を受けるので、空腹時に内服。
アレルギーを抑える力はビラノアの方が強いかと思います。
長期処方が可能になって、両方ともさらに活躍することでしょう(^^)/
ちなみに、最近新しい抗アレルギー剤として『ルパフィン』というお薬も発売されました。
こちらは...正直まだよくわかりませんm(__)m
11月21日(水)は日赤で勉強会。
前回は8月にもありました。
(⇒8月23日の記事『日赤で小児科勉強会』)
ちょっと早く着きすぎてガラガラですが(^-^;
始まるころには満員御礼状態。
...やっぱり小児科の先生ばっかりですが(-_-;)
今回の題材は
『誤飲・誤嚥』
『特発性血小板減少性紫斑病』
『QT延長症候群』
『乳幼児股関節炎』
特に耳鼻科医が関わることが多いのは『誤飲・誤嚥』でしょう。
誤飲は誤って飲んだものが胃や食道などの消化器にある場合。
誤嚥は飲んだものが気管や気管支などの呼吸器系にある場合です。
今回の発表では誤飲は磁石を飲み込んでしまった患児。
磁石を飲み込んでしまった場合、問題になるのが2個以上飲んだ場合。
特に時間差で飲んでしまうと、危険です。
例えば2個飲み込んで、1個は腸、もう1個は胃にあったりすると、胃や腸の壁を挟み込んでくっついてしまうことがあります。
そうなると動かなくなってしまい、胃や腸の壁を圧迫して穴が開くことすらあるわけです。
誤嚥の方の発表はピーナッツの誤嚥でした。
子どもの誤嚥の原因で非常に多いのが、ピーナッツを含む豆類です。
しかも、豆類は誤って飲み込むというより、食事として与えられ結果的に誤嚥してしまうことも多いようです。
誤嚥で多いのは3歳以下の事が多いので、ピーナッツを含む豆類はなるべく与えないようにすることも大事。
軽く考えてしまいそうですが、今回発表のあった磁石もピーナッツも両方とも全身麻酔して手術が必要となってます。
原因となるものは他に、コイン、ボタン電池、ビー玉、ビニールなどなど
子どもは口だけでなく、鼻の穴や耳の穴にも色んなものを入れちゃいます。
小さな石、BB弾、小さなおもちゃなどなど。
そして自分で言わないことも多いので、大人が気付かないことも多くなります。
前におもちゃの車のタイヤを鼻に詰めた子どもが受診したことがありましたが、ただの鼻づまりで受診されました。
当院に来る前に一度病院を受診し、薬を出されたけど改善しないということでしたが...(-_-;)
しかも、前に受診したのは耳鼻科だってのが驚き。
鼻の中を見ればすぐわかるのに...鼻の中すら見ずに薬を出す耳鼻科医もいるんです...|д゚)
話が逸れましたが、子どもの手が届くところに口や耳や鼻に入れそうなものは置かないようにしましょう(^-^)
Posted:2017.11.20 | Category: 医療系のお話
11月18日(土)は夕方から勉強会。
題名のEMR会という会なんですが、正式名称は『鼻アレルギー疾患治療学術講演会』。
毎回いろんなテーマで高名な先生が講演します。
今回のテーマは『長引く咳から診たアレルギー性鼻炎治療の最前線』
このブログでもアレルギーと咳の関係は以前に詳しく書きましたが、非常に重要。
(⇒2016年6月17日の記事『せきの原因 (2)喉頭アレルギー(咳喘息・アトピー咳嗽)』)
講演されたのは呼吸器内科の先生でしたが、アレルギー性鼻炎の治療もしっかりとされております。
そしてアレルギー性鼻炎の治療だけで良くなる咳が多いことを力説されてました。
これには大賛成です(^^)/
その先生の診断の仕方として、長引く咳についてまずは
・感染によるもの(マイコプラズマ、百日咳など)
・アレルギー関連(咳喘息など)
・その他
このように分類することが大事とのこと。
なんでもかんでも咳止め使えばいいってもんじゃありません。
中でもアレルギー関連では
・咳喘息
・咳喘息+アレルギー性鼻炎
・アレルギー性鼻炎による咳
このように分けて治療を考えてられていました。
そして咳喘息には吸入薬。
アレルギー性鼻炎には点鼻薬が大事。
話もわかりやすく、改めて勉強になりました(^-^)
今回はまぁまぁ参加者も多かったけど、それでも20人くらい...まぁいつものメンバーって感じですな(-_-;)
...40代全然おらず。
Posted:2017.11.17 | Category: 雑談
先日家に帰りついたとき、足元に違和感を感じ見てみると...
靴ひもが切れとる!!
初めての体験...靴屋さんで靴紐だけ売ってることがありますが、ホントに切れることってあるんですね(*_*;
この一番お気に入りのスニーカー、軽く5年以上は履きまくったので、仕方ないのか...
実は結構前から靴底には穴が開いてしまっていた...
流石にもう限界か。
お休みの日は夏はサンダル、冬はブーツ。
それ以外の平日はほぼスニーカー履きなので、かなり履きつぶしたな~
通勤だけでなく、時にはそのままサッカーされたり野球されたり、雨でぐっしょぐしょになってもそのまま放置されてたり...
酷い扱いされても、長い間よく頑張ってくれました。
合掌(:_;)
Posted:2017.11.14 | Category: 学会
専門医講習会2日目朝。
ホテルの近くにルミナリエがありました。
点灯は12月からだったので、残念(^-^;
点灯はしてなくてもなかなかの迫力。
さて、基本的に人混みに弱い私はせっかくの神戸グルメも堪能することもなく修行のように2日目に挑みます(-_-;)
朝早めなのでまだ人数が少ないですが、2日目も会場は満員御礼!!
例によってひたすら講義を受け続けます。
正直、学会とは違ってあまり真新しい知識が多いわけではありません。
どちらかというと基本的な知識を復習するような講義が多いです。
で、お昼はまたおにぎりの配給(-_-;)
やはり日曜日とあって配給に並ぶ人数も昨日より多いかも(*_*;
その後なんとか午後の講義まで聞き終わって終了。
正直ヘロヘロでした。
しかし、もちろんその日のうちに熊本まで帰らなくてはならないので、急いで新神戸駅へ。
...なんと新幹線までほぼ満員(:_;)
神戸グルメを全然楽しめなかった私はこれで我慢するのでした。
大阪名物らしいけど
中身はこんなん。
味は...(^-^;
Posted:2017.11.13 | Category: 学会
以前から予行していた通り、11月11日、12日と専門医講習会に参加してきました!
この専門医講習会というのは、耳鼻咽喉科専門医の為の講義のようなものがたくさんある会で、通常の学会とはちょっと違います。
専門医というのは5年毎に更新が必要なのですが、専門医講習会に5年で1回は参加が必要。
そして色んな決められた分野の講習を受けたという証拠がなくてはなりません。
昔は学会に参加したという証拠だけあればよかったので、学会に行く人に自分の分の参加証もお願いするような『代返』的なこともまかり通っていたようですが(^-^;
『新専門医制度』というものが始まってから非常に厳しくなりました。
というわけで、11月10日(金)の診療が終わってからそのまま熊本駅へ。
みずほ610号で一気に新神戸まで
晩御飯を食べる暇もなく、駅弁でも買おうと思っていたのですが、なんと売り切れ...(-_-;)
...新幹線の中で売ってあったジャガビーとちくわを食べて飢えをしのぎました(:_;)
ホテルについたのは夜12時前。
改めて晩御飯を食べる気力もなく、そのまま就寝(-_-)zzz
11月11日、専門医講習会第1日目。
朝ごはんはホテルでがっつり食べ、会場へ。
とにかく人が多い!!
『新専門医』が始まる前はこの専門医講習会の参加者は数百人程度だったらしいですが、今回の参加者はなんと3000人オーバー!!
耳鼻科医は全国に10000人弱なので、3割も集まってる。
こんな会場でインフルエンザでも撒き散らされたら大変だろな~
1000人くらい入る会場が2つありましたが、どちらも常に満員状態!!
医療安全やら感染対策やらの講義を聞きながら単位を取得していきます。
お昼休みが1時間くらいありましたが、普通の学会ならランチョンセミナーと言ってお弁当付きの講演があるのですが、専門医講習会ではありません。
今回はおにぎりの『配給』がありました。
おにぎり配給に並ぶ全国の耳鼻科専門医たち。
あえてしばらく待って行列がなくなったところで
おにぎりゲット。明太子のみ品切れ。お茶も配ってたけど、なくなってたのでお水。
会場となったポートピアホテルと国際会議場の周りでは『数百人の集団がおにぎりを頬張っている』という奇妙な光景になりました(*_*;
そして夕方までガッツリ講義を聞いて1日目終了。
神戸といえば『神戸牛』やら『中華街』やら美味しい誘惑がたくさんですが、ひとりで行っていたしそこまでの気力もなかったので、そのままホテルに帰って晩御飯も適当に済ませてさっさと寝ちゃいました(-_-)zzz
混雑が凄いこともあり、普通の学会より疲労度がハンパないっす(-_-;)
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11月11日(土) 日本耳鼻咽喉科学会専門医講習会参加の為、副院長不在です。
診療時間等は通常通りです。
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(今日の治療薬2017より)
さて、前回の記事ではペリアクチン、ポララミン、アタラックスなどの第1世代抗ヒスタミン薬を使用しない理由を書きました。
(⇒前回の記事『ペリアクチン、ポララミン、アタラックス』)
最後に『最近は鼻水の症状に抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬)を使用しない医師が増えている』という風に書きましたが、その理由について。
理由は簡単で、抗ヒスタミン薬を使用することによって、鼻水が粘っこくなってしまうということです。
なぜ鼻水が粘っこくなってしまうかというと、抗ヒスタミン薬による抗コリン作用が原因と言われています。
前回の記事でもちらっと書いてますが、抗ヒスタミン薬には『口が乾く、頻脈、尿閉』といった抗コリン作用と言われる副作用があります。
鼻水が粘っこくなってしまうと、特に鼻を自分で出せないお子さんはどんどん鼻水が溜まってしまい、副鼻腔炎になってしまう...という理由ですね。
た・だ・し|д゚)
この抗コリン作用、最近の抗ヒスタミン薬ではかなり軽減されています。
それこそペリアクチンやポララミンなどの第1世代抗ヒスタミン薬は強力な抗コリン作用があり、前立腺肥大症や緑内障の患者さんには基本的に使用禁忌となっています。
なので、ちゃんと新しい副作用の少ないお薬を使用すれば問題ないというのが私の考え。
そもそもアレルギー性鼻炎のお子さんが副鼻腔炎になりやすいのはアレルギーによって粘膜が腫れて鼻水が奥に溜まってしまうのが大きな原因ですので、抗ヒスタミン薬はしっかり使わなきゃでしょう。
ここで1つ発見した論文より
アレルギー性鼻炎がある慢性副鼻腔炎の患者さんに治療方法を以下の2つに分けて検討。
・抗ヒスタミン薬のみ
・抗ヒスタミン薬+クラリスロマイシン(抗生剤)
結果:治療成績に差は認めず。
ただし、膿がたくさん溜まっているような高度の副鼻腔炎の場合はクラリスロマイシンを併用したほうが成績が良い。
この論文は成人のみですが、軽い副鼻腔炎ならアレルギーの治療をしただけで治っちゃうわけです。
というよりアレルギー性鼻炎がある副鼻腔炎では抗ヒスタミン薬を併用することが大事。
お子さんでも軽い副鼻腔炎なら私も抗生剤は使用しません。
もちろん、もともとアレルギー性鼻炎がなくて、どろどろの鼻水(所謂あおっぱな)が出ているような時に抗ヒスタミン薬を使っても効果はないでしょう。
特に第1世代抗ヒスタミン薬なんか使ったら副作用だけで逆効果なんてこともあり得ます(*_*;
『効果が出るのが早い』というのメリットはあるので、症状が強い時にサッと使うという方法はありだと思います。
実際私もそういう方法で頓服で使ってます。
ちなみになぜ古い薬を未だに使うのか、先日製薬会社の人にも聞いてみましたが、やはりよくわからないという回答でした。う~ん(-_-;)
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
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