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Posted:2020.08.17 | Category: 雑談
本日からお盆休みも終わり、診療再開です!
今年のお盆はどこにも行かずお家でゆっくりされた方も多かったと思います。
そもそも暑すぎてどこにも行く気が起きないという...(^-^;
さて、本日からこんな張り紙をしています。
日本医師会が厚生労働省と協力して作成したポスターです。
『感染症対策実施医療機関』ということで、院内の感染対策をちゃんとしているという証明書(?)的なものです。
チェックリストに9つの項目があります。
・職員に対して、サージカルマスクの着用、手指衛生と適切に実施しています。
・職員に対して毎日(朝、夕)の検温等の健康管理を適切に実施しています。
などなど。
正直なところ、このくらいの感染対策をしていない病院・診療所ってあるの?って感じですが(^-^;
最低限必要なことをしているかどうかですね。
念のため、このリストを見てもう一度チェックしましたが、当院問題ありませんでした。
自身をもって日本医師会公認の『感染症対策実施医療機関』を名乗らせていただきます(@_@)
ただしこれ、完全に自己申告でチェックするだけで、別に審査があるわけでもないので...
日本医師会所属の医療機関ならどこでも名乗れるんですけどね(^_-)-☆
Posted:2020.08.07 | Category: 医療系のお話
8月7日は『鼻の日』です。
毎年毎年この日をネタにしてブログを書いているのですが、特に最新の鼻の話題ってないなぁ...
まぁ去年も鼻の日に耳の話を書いたのですが(^-^;
というわけで、話題のポビドンヨード(イソジン)を無理矢理鼻の話に繋げてみます。
ポピドンヨード入りのうがい薬でうがいをすると、新型コロナ感染症のPCR検査で陰性化するのが早かったという発表を受けすでに様々なSNSなどで批判を浴びました。
早急に訂正されましたが、大きな問題点として
・『うがいする人』と『うがいしない人』だけでなく、例えば『水でうがいする人』などとも比較するべき
・検査には唾液採取によるPCR検査をしているが、鼻から採取する検査でも同じような結果になるか検討するべき
などが挙げられます。
単純に口の中のウィルスを洗い流したから検査ででなくなったんじゃ?ということですね。
海外でポビドンヨードが新型コロナに有効かも?というデータもあり、今後有効性が確認される可能性もなくはないです。
まだまだ不完全なデータの状態で大々的に発表してしまったのが失敗かと思います。
それによりすでにドラッグストアなどでポピドンヨード入りのうがい薬が売り切れ続出しているようです。
心配なのが、ヨード過剰摂取による甲状腺機能低下。
感染予防のためとポピドンヨードを飲んでしまうような人が出てこないかと危惧しています。
そういえば以前にうがいの予防について書いたことがありました。
(⇒2017年12月11日のブログ『インフルエンザの感染予防』)
すでに3年近く前のブログですが、なんだか今読むと良い感じですね(自画自賛)。
あれ?...鼻の話につながらない(-.-)
現在の医療でポピドンヨードを使用する場面はなんといっても手術前の術野の消毒でしょう。
(手術部位などにより違うものを使う場合もあります)
昔の耳鼻科ではのどが痛くて受診するとのどにイソジン(ルゴール)塗ったりされていましたが、最近はそんなことする耳鼻科医はいないはず。
外科手術の時の消毒では、見たことない方の想像のおそらく数倍は消毒液を使います。
かなりビチャビチャに塗ります。
MOCO'Sキッチンのオリーブオイルばりにビチャビチャにします(伝わるかな?)。
すでに手術のためのポビドンヨードが不足するのではないかという懸念の声もあがっています。
あ、でも鼻の手術の時は一般的にポピドンヨード使いません。
はい、見事にポビドンヨードから鼻の話につながりましたね(^_-)-☆
ポビドンヨードを鼻の中に塗ったり、点鼻などをする論文はいくつか発見できましたが、ほとんどがMRSAなどの耐性菌を除菌するという目的で、普通の副鼻腔炎なんかに凄く効くということはなさそうです。
(なので一般的な治療として広まっていません)
検索すると『イソジンで鼻うがい』とか結構でてきますが、オススメはしませんね。
無理矢理つなげて話が広がらないので今回はこの辺で(^-^;
Posted:2020.08.03 | Category: 医療系のお話
このブログで以前も書いてますが、夏風邪とは基本的にヘルパンギーナ、手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)の3つのことを言います。
その中で手足口病について、なんと7月中旬での感染者数が去年の100分の1というニュースがありました。
もちろんその原因は感染対策がしっかりととられていることでしょう。
新型コロナウィルスと同じく、手足口病もヘルパンギーナもプール熱もウィルスが原因となります。
子ども同士の接触が減り、手洗いなどが徹底されたことの効果でしょうね(^^)
ただし油断は禁物。
(熊本市HPより)
熊本市でヘルパンギーナ増えてますね。
(同じく熊本市HPより)
プール熱や手足口病は増えてないようです。
ヘルパンギーナについては去年書きましたブログで詳しく書いてますので、ご参照ください。
(⇒2019年6月18日のブログ『ヘルパンギーナも流行中?』)
ヘルパンギーナや手足口病での出席停止期間は厳密に決められておらず『発熱などの症状がおさまって元気になれば登校、登園OK』というものなのですが、意外と知られていないのが、感染力は2~4週間と長く続くことです。
特にご家族は子どもの便から感染する可能性があるので、オムツの扱いには注意が必要です。
子どもだけの病気じゃないことも注意してくださいね。
すっごい暑いので熱中症にもお気を付けくださいね(^^;)
Posted:2020.07.27 | Category: 医療系のお話
昨日今日と熊本で新型コロナウィルス感染が確認されたニュースが大きく取りざたされています。
東京や大阪、福岡などの状況を見ると熊本にも拡大してくることは想定していましたが、連休中に急に報告数が増えました。
普通に考えるとこれからもっと増える可能性が高いということになってしまいます。
よくニュースなどで聞く意見として、検査数が増えていることで軽症で診断される数が増えて感染者数が増えているように見えるというものがあります。
確かに第一波の時、検査体制が整わず、検査数自体が少なすぎた時期と比較して検査数が増えています。
第一波の時も実際はもっと感染者数が多かったことはまず間違いないでしょう。
さらに『感染者数は増えているが、重症者数は増えていないので心配するような状況ではない』という意見も見ます。
この考え方はちょっとどうかなぁ...と。
新型コロナウィルス感染は発症してから1週間程度経過して急激に症状が悪化することが多いと言われています。
(もちろん悪化せずにそのまま軽快する方が多いのですが)
そしてご存知のように重症化しやすいのは御高齢の方や既往症のある方です。
若い世代に広がる⇒高齢者にも広がる⇒重症者が増える
という風にタイムラグが数週間できることは予測できます。
つまり重症者が増えるのは今後。という考え方もできるわけです。
東京都が発表している重傷者数(人工呼吸管理が必要)を見るとすでに少しずつ増えてきているようにも見えます。
もちろん、少しずつ治療方法が確立されてきているという良いニュースもあります。
抗ウィルス薬のレムデシビルやデキサメサゾンというステロイドが効果があると報告されています。
今後、ワクチンの開発も含めてさらに進んでいくでしょう。
というわけで(?)
熊本でも市や県が発表している資料を見ると、現在は若い世代が感染の中心のようですが当然十分な注意が必要です。
今後も油断は禁物。『ただの風邪』のように考えてはいけません。
若い世代の方々は自分たちは重症化しないからと油断しないようにしましょう。
周りの人に感染させるリスク、そして感染が拡大すると社会・経済的に自分たちにも影響が回ってくるリスクも考えましょう。
やっぱり正しく恐れて正しく予防ですね(^^)
Posted:2020.07.20 | Category: 医療系のお話
以前からちょこちょこと書いてますが、マスクを正しく使うのは結構難しいです。
よければ以前のブログも併せてご覧ください。
(⇒2020年5月25日『2歳未満のマスク』)
ここでも書いてますが、マスクを使う時に大事なことは
①しっかりと鼻から顎まで覆う
②マスクの表面には触れないようにする
③外す時もヒモの部分を持って外す
この3つでしょう。
①
については最近かなりしっかりされている方が多い印象です。
鼻を出した『鼻マスク』の方は少ないですね。
最近国会で感染症の専門家として熱く発言していた方が思いっきり『鼻マスク』だったのには笑ってしまいました(^^;)
②
これが一番難しいところだと思います。
診療するためにマスクを外していただくと、そのままポケットに...なんてこともあります。
③
これは②と同じようなことですが、外す時も油断しないようにしましょう(^^)
外した後に手洗いを忘れずに。
私も診療中はずっとマスクを着用しているのですが、ふと触ってしまうことがあります。
一番危険なのが、耳の診察をした後です。
耳の中を見るときにはこのような顕微鏡を使用します。
ただ、マスクをしながらだと結構レンズが曇ります(*_*;
曇ると当然鼓膜の細かい所見が見えません。
鼻の横から息が漏れて曇ってしまうのですが、どんなにマスクを密着させてもなかなかゼロにはならないんです...
耳の診察中息を止めていれば大丈夫なのですが、処置が必要だったりして長くなるとそうもいきません。
というわけで顕微鏡を覗いている間だけ、あえて『鼻マスク』になっていることがあります。ご了承くださいm(__)m
マスクを少し下にずらすわけですが、手は使いません。
口と鼻をフガフガしてずらしてます。
戻す時も同じくフガフガして戻してます。
もしも透明なマスクだったら食事中のカピバラのような顔をしていることでしょう。
(参考画像)
鼻に引っかかることが多く、戻す時の方が難易度が高いです('Д')
引っかかった時はマスクのヒモのところをちょっと指で上げて直します。
そして手をアルコール消毒。
もともと診察し終わると必ずアルコール消毒するようにしているので、ご安心下さい(^-^;
というわけで変なテクニックの紹介になってしまいましたが、皆さんマスクは大事に上手に使いましょう!
今日は雨も落ち着いていますが、明日からまた雨の予報です。
これ以上被害が広がらないよう祈りつつ...
今回は新しいお薬の話題です。
『デュピルマブ(商品名:デュピクセント)』という薬になります。
抗IL-4/13抗体というもので、これまでアトピー性皮膚炎、気管支喘息に使われてきました。
それが今回、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に適応が拡大された形です。
IL-4,IL-13というのはインターロイキンといってサイトカインと呼ばれるものです。
最近、サイトカインといえば新型コロナウィルス話題の中でも『サイトカインストーム』という言葉を聞かれた方もいらっしゃると思います。
サイトカインとは簡単に言うと免疫に関わる蛋白質でインターロイキンの他にも有名なインターフェロンもサイトカインの一種です。
(サイトカインストームとはサイトカインが感染症などの原因によって過剰に産生されてしまう状態)
特にIL-4、IL-13はアレルギーと関連しており、デュピルマブはこの伝達を阻害することによってアレルギーを抑えるものです。
なので、アレルギーと関係するアトピー性皮膚炎や気管支喘息に効果を発揮します。
今回、『鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎』に対して使用できるようになったわけですが、これは特に『好酸球性副鼻腔炎』というものです。
好酸球性副鼻腔炎についてはHP内でも簡単にですが触れてますのでよかったらご一読ください。
(⇒副鼻腔炎について)
好酸球性副鼻腔炎は喘息を高率で合併し、鼻茸(ポリープ)が非常にできやすく、嗅覚障害を起こしやすいという特徴があります。
手術でポリープを切除しても再発の可能性が非常に高いことも知られています。
好酸球性副鼻腔炎はなかなかコントロールが難しく、このデュピルマブに期待することが大きいのですが、もちろん(?)この薬もいいことばかりではありません。
まず、価格が高いです。
生物学的製剤と呼ばれているもので、1本6万円以上します。
基本1か月に2回使用するので、月に12万円以上です。
(3割負担で4万円弱)
この辺りも含めて花粉症に対する『ゾレア』と似ていますね。
(⇒2020年1月21日のブログ『花粉症の新しい治療?』)
ただし、『好酸球性副鼻腔炎』は指定難病に認定されていますので、診断されている方は助成を受けることはできます。
この診断もなかなか大変で、血液検査にCT所見に鼻茸を実際に摘出してその中に好酸球がたくさんあるかどうかまで確認しなくてはなりません。
なので確定診断までついて、申請・認定までされている方は意外と少ないです。
しかも助成を受けるには指定医療機関を受診する必要があります。
(当院は現在申請中ですm(__)m)
そして、飲み薬ではなく、注射(皮下注射)です。
ご自分で注射することが可能なので、2週間に1回ずつ通院するということはありませんが、内服よりは大変。
というわけで、全ての薬にはメリット・デメリットがあるわけですが、期待の大きい薬には間違いありません。
Posted:2020.07.07 | Category: 医療系のお話
熊本では6月1日から学校が再開され、すでに1か月以上が経過しました。
やはりというか、6月の中旬頃から体調を崩す小中高校生が増えてますね。
普通の風邪症状が最も多いのですが、風邪などの感染症はもちろん学校でもらってしまうことが増えたからでしょう。
また、アレルギーが悪化する子も多いです。
花粉症を含むアレルギーも自宅だけで生活していればそこまで悪化することはなかったはずですが、やはり外出が増えることで悪化してしまう方が多いですね。
大人の方では扁桃炎が非常に多いです。
それもかなり重いことが多く、連日点滴したりもしてます。
最近では立て続けに中学生で突発性難聴の診断となった患者さんが数名いました。
教科書的には40~50歳くらいが多く、10台は珍しいです。
突発性難聴は基本的に原因不明なのですが、睡眠不足やストレスが関係すると言われています。
幸いなことに症状が起こってからすぐに受診された方ばかりで皆さん改善しましたが、早めの治療が大事な病気ですので『子どもがいうことだから』と軽く考えないようにしてください。『耳が何となくつまった感じ』程度の症状のこともあります。
やっぱり急に環境が変わるということは結構な負担になるんでしょうね。
少しずつ新しい生活に慣れていきましょう(^^)
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
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