たかむら耳鼻咽喉科

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医療系のお話の記事一覧

Posted:2021.01.25 | Category: お薬の話 医療系のお話

medical_vaccine_covid19.png

新型コロナウィルスに対するワクチンの接種について、日本でもジワジワと準備が進んでいます。

現在のところ

医療従事者

高齢者

高齢者以外の基礎疾患を有する方、高齢者施設などに従事する方、

それ以外の方

という順番で接種が予定されています。



医療従事者が優先順位で1番になっており、当院にも先日通知が来ました。

『ワクチン接種を希望するのは何人ですか?』

というアンケートのような感じです。

医療従事者に対しては2~3月には接種できるように準備を進めているようです。



医療従事者の中でも

『どんな副作用がでるかわからないから不安』
『もっとデータが出てから受けたい』
『自分は感染しても重症化リスクが低いから打たない』


といった意見もあります。



ただ、私が信頼する感染症の専門家はみんな接種すると言っています。



ファイザーとモデルナのワクチンについては、私が論文などで調べた限りでは副作用で気になるものはありませんでした。
強いアレルギー反応のアナフィラキシーの報告もインフルエンザのワクチンなどよりは多そうですが、許容範囲かと思います。


例えばファイザーのワクチンでは1893360人に接種し、その中で21人がアレルギー反応(アナフィラキシー含む)を示したと報告されています。だいたい9万人に1人程度ですね。
その21人中17人にはアレルギーの既往があり、7人にはアナフィラキシーの既往があったようです。
なので、アレルギーの既往がある方などは気を付ける必要があるかもしれません。



効果についてはどちらのワクチンも感染予防効果、重症予防効果とも非常に高い効果が報告されています。



と、いうわけで私は接種を希望します。


ただし、どうやら接種後の痛みは強いようなので、それだけ心配かも...
皮下ではなく筋肉注射だしね(^^;)



それから、ワクチンを接種して重症化は予防されたとしても周囲に感染を広めにくくするかどうかはまだわかりません。
なので、『ワクチンを打ったからもう安心して飲み歩くぜ~』という考えはまだまだ早い。


実際、こういう発言をしている医者がいました(*_*;



順調にワクチンの普及が進めば今年の夏までには高齢者以外の方々にもワクチン接種の機会が巡ってくるハズです。

その頃には更なるデータも出ているでしょう。
周囲の医療従事者でワクチンを接種した方もいるはずなので、話を聞いてみるのも良いと思います。




個人的にはなるべく数多くの方々がワクチンを接種して流行が一刻も早く収束することを願っていますが...

ワクチンを受けるのは義務ではありませんので、しっかり納得した上で決めていただかなくてはなりません。


その為にもワクチンの正確な情報を製薬会社、国、医療従事者などが発信していくことが大事ですね。
これからも出来るだけ正確な、偏りのない情報を発信していきたいと思います(^^)

Posted:2021.01.19 | Category: 医療系のお話

12月のブログで書きましたが、今年も2月中旬ごろからスギ花粉の飛散が始まる予想です。

しかし、先週相次いで花粉症のような症状の方が受診されました。


もともとスギ花粉症もちの方ばかりで、鼻の中を見ても確かに花粉症っぽい。


そういえば先週かなり暖かい日が続きましたね。

それでもう春だと勘違いしたスギ達が花粉を飛ばしちゃったのかもしれません。


kahun202101.png


そして今週からまた気温が下がりましたので、一旦落ち着いているハズ。。。

受診された方々にはどうせ来月から本格的に飛散が始まるので多めにお薬処方しました。




と、ここまで書いて気付きました。

『なんか前にも同じようなこと書いたな』


検索してみると、ヤハリ書いてますね(^-^;

2020年1月12日のブログ『もう花粉症?』


ほぼ1年前。
題名も全くいっしょ(^^;)



というわけで、結論も同じになります。


そろそろ花粉症の準備は考えておきましょう(^^)

Posted:2021.01.12 | Category: お薬の話 医療系のお話

medical_medicine.png

最近受診した3歳くらいのお子さん。

年末から鼻水と咳が止まらず、一度年末に某小児科を受診。
風邪と言われたということですが...

その際の処方
ワイドシリン 3日分
その他、咳止め、去痰剤などなど

私が『年末にワイドシリンっていう抗生物質も処方されたんですね~』

と尋ねると

「でも熱がでたら飲むように言われて、熱がなかったので飲ませませんでした」


( ゚Д゚)?



久々に聞きましたね。


以前から時々あるのですが、この指示をした医者は一体なにを考えているんでしょう?


いまだにこんなことをする医者がいるとは...




いや、簡単に否定するのは良くないですね。

何かそういう指示をしなければならなかった理由を考えてみましょう。

受診したのは年末。年始まで病院を受診しにくい状況。

例えば、診察の際に中耳炎があったとする。
熱もなく、痛みもない軽症の中耳炎なら抗生物質は投与せずに様子をみるのはよくあります。
しかし、その後発熱すれば中等症になるのでガイドライン的にも抗生物質が推奨になるので...


...でも本当に熱の原因が中耳炎かわからないから、やっぱり不適切かな(・_・;)





なにか擁護できないか理由を考えましたが、私には無理でした(-.-)



逆パターンの『熱が下がったら抗生物質止めていいです』っていう指示する医者もたまに聞きますね。


感染症の場合、熱が下がるというのは治療のひとつの指標にはなります。

例えば、扁桃炎で入院治療している場合など
『熱が下がったので抗生物質の投与終了』ということはあります。

しかし、その場合も血液検査のデータや扁桃腺の腫れの改善具合などなど他の指標も大事ですので、熱だけで判断することは普通はありません。


こっちのパターンの方がまだ場合によっては理解できなくもないですが...



以前にインフルエンザ疑いでタミフルを処方しておいて熱が下がれば中止していいと指示した医者もいましたね。
これは明らかに間違いです(^-^;
しかもこれ、インフルエンザ検査陰性でただ流行っているからというだけで処方されたという。
もちろん検査が絶対ではないのですが、次の日当院受診されて明らかに扁桃炎でした。



いろいろ書きましたが抗生物質は解熱剤ではありませんので、こういった処方をされたら処方した医者に理由を尋ねてみましょう。


偉そうに書いている私ももちろん気を付けます(^^)


Posted:2020.12.14 | Category: 医療系のお話 鼻

今年はコロナコロナで気が付けばもう年末ですよ。


そして年が明ければスギ花粉の時期がやってきます。

昨年は花粉飛散が少なく、さらに外出自粛・マスク着用によって花粉症の症状が非常に軽い方ばかりでした。



さて、来年は?

unnamed.jpg
もう2か月後には飛び始める感じですね。



さて、飛散量は...

unnamed(1).jpg
熊本は前年並みとなっています。

この図はあくまでも『前シーズン比』なので、注意ですね。
去年がかなり飛散量が少なかったので。


例年比だとこうなります。
kahun2021-01.jpg
別サイトからの引用になりますが、やはり非常に少なそうですね。


あくまでも予想ではあるのですが...


今年も皆さんマスク着用は続けられるでしょうし、去年と同じくらいに考えておいていいかと思います。

もちろん飛散が少ないとはいえ、油断せず治療は早め早めをお勧めします。



しかし今年もゾレアの出番はなさそうだな...(^-^;
(⇒2020年1月21日のブログ『花粉症の新しい治療?』)


Posted:2020.12.08 | Category: 医療系のお話

やはり、といいますかインフルエンザ激減のニュースが増えてますね。


厚生労働省から発表された11月23日~11月29日のインフルエンザ患者報告数。






なんと46人





これ全国です。熊本は1人報告されたようです。



ちなみに、昨年の同時期の患者報告数






27393人!






計算すると約600分の1です。

ここまで激減するとは(・_・;)


202012020255_box_img1_A.jpg
去年が多かったとはいえ、凄まじい落差ですね。


以前にも書いたように新型コロナによってマスクや手洗いなど感染対策の意識が高まったことが一番の要因だと思います。

人の移動が制限されているということも関係してくるでしょう。
ウィルス干渉も考えられます。
これは簡単に言うと一つのウィルスに感染すると他のウィルスに感染しにくくなるというものです。



あと、もう一つ...

インフルエンザの検査数も非常に少ないのではないかと思います。

先月頃から『熱があって病院を受診したが、なにも検査してくれなかった』と言われる方が増えています。
症状的にインフルエンザの可能性があるので検査してほしいと訴えても断られるそうで。



インフルエンザの検査(あの鼻をグリグリされるやつですね)は、去年までなら普通にどこでも行われていましたが、今年はそういうわけにもいかず、基本的に完全防備での検査が求められています。


となると検査ができないという医療機関もでてくるわけです。


検査しなくてもインフルエンザの大半は自然と治ってしまいますからね。
そういった方も多くはないでしょうが、隠れているのではないかと思います。



もともとインフルエンザの診断って検査が必須ではありません。
例えば家族にインフルエンザがいて、症状も矛盾なく他に発熱の原因がなさそうなら検査せずに診断して抗インフルエンザ薬を投与しても問題ありません。



しかし、今年はここまで流行しないと逆に診断が難しいかも(^-^;


Posted:2020.11.26 | Category: のど 医療系のお話

nodo_itai_woman.png

寒くなったり暖かくなったりする日々が続いておりますが...

やはり今年は発熱の患者さんは例年と比べてかなり少なめです。

以前にご紹介した隔離用診察室を使用しつつ診療をしておりますが、11月に入ったあたりから扁桃炎で発熱される方が多い印象です。


その中に溶連菌感染症やアデノウィルス感染などもあり、しっかり診察し必要時は検査を行うことがやはり大事ですね。


ちなみに新型コロナウィルス感染の症状では咽頭痛(のどの痛み)は頻度は高くないようです。
いくつか論文も検索してみると10%前後というデータが多いようです。
発熱、咳、倦怠感などが多い症状で、それから嗅覚・味覚障害はやはり特徴的な症状かと思います。



話は戻りまして、扁桃炎というのはのどをちゃんと見ればすぐに分かるわけですが...
扁桃炎の方を診察する際、ほとんどの耳鼻科医はさらにのどの奥まで観察すると思います。

扁桃炎には急性喉頭蓋炎扁桃周囲膿瘍など、油断できない状態が隠れていることもあるからです。
(詳しくは⇒2019年6月10日のブログ『のどの奥を診る』




すいません、ここから愚痴っぽくなります(-.-)

扁桃炎で受診された方が「何人も」同じようなことを仰ってました。
『違う病院で熱があるというと、のどもあまり見ずに薬を出されました』



え~(´・ω・`)



新型コロナウィルス感染を警戒してなるべく患者と接触しないということだとは思いますが...受診して薬を出しているということは、『発熱患者お断り』という病院ではないはずです。
なら感染対策を行いながら最低限の診察と検査はするべきでは?
のどをちゃんと見るだけでもいいし、必要があれば検査もするべきでしょう。



...と、愚痴ってもしょうがないので



扁桃炎は年に何度もかかる人もいらっしゃいます。

ひどいと食事もできない、唾液も飲み込めないくらいキツい病気です。


そういった方が普通に病院を受診して、普通に治療が受けられるように早くなってほしいですね。

Posted:2020.11.16 | Category: 医療系のお話 雑談

やはりというべきか、新型コロナの感染者は増加してきています。
以前から書いているようにインフルエンザの流行は今年は少ないと思いますが...

kansenn202011.jpg
(熊本市HPより)

ご覧の通り、熊本市ではまだインフルエンザは0になっています。

もちろんインフルエンザの流行ピークは1~3月頃に来ることが多いので、まだまだわかりませんが...

インフルと新型コロナのピークが同時に来る可能性がやはりあるわけで油断できません。



あまりネタがないので、インフルワクチンのお話でも...


私も含め、スタッフも全員接種が終わりましたが...

必ず『今年のワクチンは痛い or 痛くない』という声が上がります。
(ちなみに今年は『痛くない』という声が多いです)


本当に年によって痛いことがあるのでしょうか?


結論から言うと年による違いなんてそんなにないはずです(^-^;


インフルエンザワクチンはその年によって流行すると予想されるウィルスの株が毎年違います。

その株の違いだけで痛みが変わることは考えにくいのです。


ワクチンを注射するときに痛みがあるかどうかはやはり打ち方による違いが大きいです。


・針の違い ⇒ 当然、太い針のほうが痛い
・薬液の温度の違い ⇒ 冷たいままだと痛い(インフルエンザワクチンは冷蔵保存)
・注入のスピード ⇒ 早めに注入すると痛い

などが挙げられます。


また、日本ではワクチンを皮下注射しますが、海外では筋肉注射する国もあります。
筋肉注射の場合はかなり深く針を刺しますので、刺した後に血管に入っていないか一度陰圧をかけて血液が引けないか確認します。

これをすると痛みがありますが、皮下注射で上腕に刺す場合は太い血管に刺さることはまずありませんので無理に陰圧をかけないことも大事ですね。


また、痛みを和らげるテクニックとして、注射する場所を打つ前に圧迫したり、冷やしたりすることもあります。

これは人間の痛みを感じる仕組みを利用した方法なのですが...
子どもが痛がってるときに『痛いの痛いの飛んでけ~』ってさすってあげたことがある方は多いと思います。
実はこの行為は科学的にも理にかなっていて、簡単に言うと『さする感覚』で『痛い感覚』が伝わるのを邪魔することで痛みを和らげてくれるんです。

これと似たような感じで注射前に刺激を与えることで痛みを誤魔化すような感じですね。


なので、私は注射の前に上腕をムニムニと押してから注射しています。
上腕の柔らかさを確かめているわけではないので、ご了承ください(^-^;


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