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医療系のお話の記事一覧
インフルエンザワクチンの入荷予定が決まってきましたので10月1日からワクチンの予約を開始します。
価格は1回目、2回目とも3,000円です。
(2回目は13歳未満)
ご希望の方はまずはお電話をお願いします。
予診票は受付でお渡ししますが、下記より印刷していただくことも可能です。
インフルエンザワクチン予診票(両面印刷)
さて、もう毎年恒例のようになってきましたが、インフルエンザとコロナの同時流行の危険性が危惧されています。
去年も一昨年も結局インフルエンザの流行は全くなかったわけですが...
はたして、インフルワクチンは本当に必要なのか?
そういう疑問が出るのも当然です。
熊本県が発表している情報によると9月12日~9月18日で熊本県内ではインフルエンザが7件発生しているようです。
ちなみに
これも熊本県HPからの引用です。
去年、一昨年は累計で4件しか発生してません。
それと比べると今年は先週の1週間で7件だから、多いと考えてもいいかもしれません(^-^;
6月にブログで世界的にインフルエンザ流行の兆しがあると書きました。
⇒2022年6月28日のブログ『インフルエンザ流行?』
果たして、日本でも同じように流行するのか?
神のみぞ知るというやつですが、個人的には去年より危機感があります。
ワクチンの必要性については、これらの状況や、ご自分の状況などから判断するしかありません。
インフルエンザワクチンも感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化や合併症の予防の効果があります。
今年はワクチンの生産も問題ないようで十分量早期に供給される見通しのようです。
慌てる必要はありませんが、ワクチンは効果を発揮するのに2週間程度かかると言われています。
しっかりご検討ください(^^)
Posted:2022.09.22 | Category: 医療系のお話
新型コロナの波もすっかり小さくなり、発熱外来の問い合わせも一番多かった時期と比べると10分の1くらいになっている印象です。
ニュースなどでも話題になってますが、新型コロナの全数把握見直しが9月26日より全国で始まります。
これまではCOVID-19と診断された全ての方に対して保健所に「発生届」が必要でした。
それが9月26日から
・65歳以上
・入院を要する
・重症化のリスクがあり新型コロナ治療薬の投与が必要、もしくは酸素投与が必要
・妊婦
これらの方が保健所に届けられることになります。
逆に言うと、これらの条件に当てはまらない方々は保健所に届けられません。
この見直しによって何が起こるのか?
一番わかりやすいのは「発生届」の数が減るので医療機関・保健所の負担が減るということです。
その効果は間違いなくあるハズ。
最近の新型コロナ感染者数の中で65歳以上は概ね10%強程度です。65歳未満で入院が必要になることは多くないので「発生届」の件数は5分の1以下にはなるのではないでしょうか。
報告件数が多い病院・診療所ほどメリットになりますね。
逆にデメリットは?
やはり保健所が把握していない患者さんが増えますので、症状が悪化したときにどうするかという問題があります。
その場合は『健康フォローアップセンター』というものが自治体ごとに設置されることになっていますので、そちらに連絡して診療する病院や診療所を紹介してもらうことになります。
こんな感じですね。
どうしても初めての試みですから、何らかの問題は出てくるとは思います。
「やってみるしかない」といったところですが、何よりも感染しないことが一番ですね(^^)
Posted:2022.09.08 | Category: 医療系のお話
すでにニュースでも報道されていますが、新型コロナウイルス感染につきまして療養期間が9月7日より短縮となりました。
いずれは短縮になるだろうと思っていましたが、急に昨日から適用されてビックリしました(^-^;
詳細は下の文章の通りです。
厚生労働省のページにもありますので、ご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
簡略化すると
・症状がある⇒症状が出た日から7日間経過、かつ症状が軽快してから24時間経過していれば8日目から解除
・症状がない⇒検査日から7日間経過、もしくは5日目に検査で陰性確認すれば6日目から解除
となります。
「10日間が過ぎるまでは感染リスクが残存する」と書いてあるところがミソですね。
これは、現在療養期間中の方にも適用されるということです。
熊本市の保健所より適用になる方々にはすでにショートメールなどで連絡されているハズです。
さて、これらの決定について、個人的な意見としては...
もともと10日間は長すぎると思ってましたので、概ね予想通りですし、賛成です。
予想外だったのは「症状が軽快してから24時間」というところで、もっと長くなると思っていました。
(インフルエンザでは発症後5日かつ解熱して2日経過)
しかし、いきなり即日決定はホントにビックリ(^-^;
保健所から連絡していただけなければ当院で10日以内に診断した方に一人一人電話連絡しなくてはなりませんでしたから、本当に保健所の方々には感謝です。
Posted:2022.07.30 | Category: 医療系のお話
またブログの更新が滞って...気付けばもう8月に(*_*;
前回のブログが7月15日で、その時点でもなかなか大変な状況だったのですが...
7月19日の連休明け火曜日から状況はさらに爆発しました。
連日朝イチから発熱外来の問い合わせが殺到し、朝から昼休憩もなくぶっ続けで夜まで診療してました。
多い日は50人以上、最近でも毎日30人程度は新型コロナ検査陽性がでています。
ここ数日少しは落ち着いた感じもありますが、まだまだ油断するには早すぎると思っています。
特に炎天下の中でPPE(ガウンやグローブなど)を着ての診療ですので、めちゃくちゃ暑いです...
ガウンの中の白衣は汗だくで、ズボンまでグッショリとなっていることもありました。
そして、スタッフが一人熱中症になりかけました。
ホントにギリギリの状況ですm(__)m
待ち時間が非常に長くなったり、どうしても受診をお断りすることもありましたが、どうかご了承ください。
最近の流行はオミクロン株BA.5によるものと思われますが、以前よりも症状が強めだと感じています。
患者数が多いのもありますが、酸素飽和度の低下などで入院を保健所にお願いすることも増えました。
皆さん、本当に油断なさらぬようにお願いします。
最後に、炎天下で頑張った姿を一枚
写真じゃ伝わりづらいかもしれませんが、前腕の日焼けが凄いです(*_*;
ガウンはUVカットしてくれないようです(:_;)
なんだか『ゴルフ焼け』のようですが、『コロナ焼け』です。
Posted:2022.07.15 | Category: 医療系のお話
7月に入ってからやはりと言いますか発熱、新型コロナの患者さんが非常に多くなりました。
特に朝イチに患者さんが多く、お待たせする時間が長くなることもあり...
第7波と言われていますが、非常に高い波のようです。
現在流行しているのはオミクロン株BA.5と呼ばれていますが、とんでもないスピードで広がっていますね。
熊本では連日のように過去最高の感染者数を記録しており、明らかに保健所はパンクしているようです。
感染が判明すると医療機関から保健所に発生届を提出します。
受け取った保健所は患者さんへ連絡するのですが、その連絡がかなり遅くなってしまっており、3~4日たっても連絡が来ないことがあるようです。
当然、保健所を非難するつもりは一切ありません。医療機関もパンク寸前のところがでてきていますし、出来る限りのことをされていると思います。
今回の第7波について、私が感じている特徴としては...
・高熱が多い
・症状が強くはないのに酸素飽和度が下がっている方がいる
・のどの腫れはやっぱり強い
・ワクチン接種していても症状が強いことが多い
・潜伏期間が短い
これらはあくまでも私個人の印象ですので、データや根拠はありませんm(__)m
すこし調べてみましたが、これまでの株に比べて重症化しやすいというデータはなさそうです。
第6波の流れを考えるとまた数か月に及ぶ長い波の可能性もあるかと思います。
もう本当にうんざりしちゃいそうですが、これからも出来ることを頑張っていきます!
暗い話ばかりで終わりたくないので、一枚写真を
駐車場の植栽になんだか可愛い花がつきました。
名前は完全に忘れちゃってましたが、調べたら『ヒメシャリンバイ』という木でした(^-^;
Posted:2022.06.28 | Category: 医療系のお話
久々にちゃんと医療系のお話です。
先週東京の小学校でインフルエンザの流行により学年閉鎖になったというニュースがありました。
3年生で14人の感染が確認されたそうです。
びっくりしたと同時に、とあるニュースを思い出しました。
オーストラリアでインフルエンザが激増しているというニュースです。
(オーストラリア保健省のデータより引用)
赤い線が2022年のインフルエンザ患者数です。かなりの勢いで増えてますね。
ご存知の通り新型コロナの影響で2020年、2021年はインフルエンザの流行が世界的に激減しました。
グラフでは2021年が水色、2020年が黄緑の線なのですが、ゼロの線に重なってほとんど見えてません。
オーストラリアでのインフルエンザの流行は日本での流行を予測する上で参考になることが多いとされているため、今年の冬に日本でもインフルエンザの流行の可能性が...あるかもですね。
(WHOのサイトより引用)
こちらは世界のインフルエンザの患者数です。
同じように、2年間程度の空白があり、2022年に入る前から増加傾向ですね。
前にも書きましたが、日本では2019年シーズンからインフルエンザの流行がありませんでした。
3年間にわたりインフルエンザウイルスに曝されなかったというわけで、インフルエンザに対する免疫がどんどんなくなっています。
なので、もしも流行が始まると爆発的に広がる可能性があります。
インフルエンザも小さなお子さんや御高齢の方には重症化するリスクが高くなります。
『もしかしたらインフルエンザって根絶されたんじゃ...』
なんて話もチョットだけありましたが、やっぱりそんな甘くないですね(^-^;
新型コロナとの同時流行なんてことも考えなくてはならないので、今年の冬も忙しくなりそうです(*_*;
つい先日、『新型コロナ感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)』という資料が厚生労働省より発表されました。
ちなみに誰でもweb上で見ることができます。
もともと『新型コロナ感染症診療の手引き』という資料が定期的に更新されており、新型コロナの診断、検査、治療などなどについてまとめられています。
今回、それの別冊で罹患後症状についてのデータや治療方針などについてまとめられました。
罹患後症状とは、簡単に言うと『後遺症』ですね。
その中から、切り抜くと。
新型コロナ感染、発症後2か月、もしくは回復後1か月経過した時点で72.5%の方が何らかの症状の訴えがあり、最も多いのは倦怠感、次いで息切れ、嗅覚障害、不安、咳、味覚障害と続きます。
で、耳鼻科の専門領域で言うと、やはり嗅覚・味覚障害です。
最近相談を受けることも多いです。
ちょっと古い記事ですが、嗅覚障害については
⇒コチラのブログをご参照ください。
嗅覚障害について、新型コロナ感染早期から認められることが多いのは多数の報告があります。
1か月以上嗅覚障害が続く場合、CTやMRI検査をしても異常ないことが多く、逆に早期に改善する場合は単純に鼻の粘膜の腫れなどで鼻がつまって嗅覚障害を起こしていることが多いようです(気導性嗅覚障害)。
異臭症と呼ばれる『違う匂いに感じる』『全部の匂いが同じに感じる』『何もないのに匂いを感じる』症状も頻度が高いとされています。
基本的に新型コロナ感染後長期的に続く嗅覚障害は普通の風邪による『感冒後嗅覚障害』と同じような病態のようです(嗅神経性嗅覚障害)。
味覚障害については、嗅覚障害を伴う頻度が多く味覚障害単独の頻度が低いこと、味覚検査を行うと正常の結果となることが多かったことから新型コロナ感染後の味覚障害の多くは嗅覚障害による『風味障害(においが感じないことで味がわからない)』と考えられています。
では、治療については...
この資料には特に記載はありません。
もちろん自然回復は十分期待できるものですから、1か月程度は様子をみて問題ないと思います。
診察の上、ファイバー(カメラ)を用いた鼻の中を観察し、特に匂いを感じる場所(嗅裂)がちゃんと通っているか確認。
においの検査も必要に応じて行い、嗅覚障害が気導性なのか、嗅神経性なのかを鑑別することも大事でしょう。
で、治療については?
感冒後嗅覚障害と同様の病態だと考えるとある程度手段は限られてきます。
治療としては
・当帰芍薬散などの漢方薬
・嗅覚刺激療法(においのリハビリ)
この2つは有効だと考えています。
嗅覚障害に対してよく行われるステロイドの点鼻については、基本的に気導性嗅覚障害の治療と考えます。
鼻の中に炎症を起こしているような所見があれば使用を検討して良いかと思います。
味覚障害については前述したように嗅覚障害に伴う『風味障害』という部分が大きいようです。
なので嗅覚障害が改善すれば良くなっていくハズですが、嗅覚障害がなく味覚障害のみの場合は他の原因も考えなくてはなりません。
味覚障害で多いのは亜鉛欠乏によるものです。血液検査で調べてみるのは必要かもしれません。
新型コロナ感染が亜鉛欠乏の直接原因になるかと言われると...ないかもしれませんが。
残念ながらこれらの嗅覚味覚障害はこれまでもたくさん研究されてきた分野ですので、今後『新型コロナ後の嗅覚障害』に特化したような治療法やお薬などがすぐに開発される可能性は低いかと思います。
正直な話、治療を行ってもすぐに治ることは少ないと思います。
数か月単位での治療になることが多いと思いますし、絶対に良くなるとも言いづらいです。
ただ、当たり前ですが味覚も嗅覚も非常に大切な感覚ですので、少しでも回復の助けになればと思い治療していますm(__)m
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