たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2020.09.03 | Category: 医療系のお話

以前にマスクの使い方については書きましたが、最近興味深いデータを見ましたので今回はマスクの選び方についてです。


皆さん、マスクを購入するときに何か基準はありますか?
価格も気になるし、ヒモが痛くないかということを重視する方もいるでしょうし、見た目も気になるでしょう。


でも一番大事なのは、『本当に感染対策になるかどうか』ですよね。

すでにYahooニュースなどでも結構取り上げられていて、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが。

様々な種類のマスクで、『実際にどの程度飛沫が飛ぶのを抑えられるのか』ということを調べた研究が発表されました。
実際の論文はコチラ⇓

『Low-cost measurement of facemask efficacy for fitering expelled droplets during speech』

いろんな素材のマスクをしながら喋っているところにレーザーを当てて飛沫を観察しています。
それをなんとスマホのカメラで撮影し、コンピューターで解析したようです。


この様子はYou tubeにも投稿されており、すでに再生数は30万回近くになっています。
動画は『Inexpensive way to test face mask effectiveness in reducing COVID-19 transmission』という題名です。



さて、その結果です。

F3.large.jpg
(論文より引用)

横軸はマスクの種類、縦軸は飛沫の数です。

もっとも飛沫の数が少なくなったのが、やはりN95マスクです。99.9%の飛沫が抑えられたということ。

その次はサージカルマスク。普段私も使用していますが、これもやはり効果が高いようです。

布のマスクでもある程度効果があるようですね。


逆にニット素材やバンダナは効果が低い
まぁそりゃそうでしょう。


右から2番目の『None』がマスクをしない状態ですので、一つだけ、マスクをしないよりも悪い結果のものがあります。

『Neck Gaiter』と書かれていますが、ネックゲートルってやつですね。
これフリース素材のようですが、どうやら大きな飛沫を細かくしてしまい、飛沫の数が増えると考えられています。

なので、どちらかというとネックゲートルの形状より素材が問題のような気もします。



N95マスクはやはり素晴らしい性能なのですが、これを普段から使用するのは現実的ではありません。
貴重な医療資源ですし、もちろん価格も高いですし。
N95ってめちゃくちゃ暑いですし(^-^;


あと『Valved N95』ってありますけど、日本語にすると『排気弁付きN95マスク』になると思います。
これ、気密性を高めたN95にわざわざ排気弁をつけているわけで、何が目的なんでしょう。
当然、排気するためのものなので、せっかくのN95が普通の布マスクレベルまで飛沫を飛ばすことになってます。

呼吸はしやすくなるでしょうけど(*_*;



というわけで、興味深いマスクの研究のご紹介でした。
普通のマスクであればある程度の感染対策になりそうです。
マスク選びの参考にしてください。



最後に、この研究マスクをしながら喋っているのですがその内容が良いですね。

Stay healthy, people


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