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鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、中耳炎、肺炎、胃腸炎、関節炎...
語尾に『炎』がつく病名っていっぱいあります。
この『炎』は『炎症』を意味しているわけです。
『のどに炎症を起こしてますね』
のどが痛くて病院を受診した際、こんな感じで説明を受けたことがある方は多いのではないでしょうか?
まず第一に強調したいのが『炎症=感染』ではない。ということ。
感染は炎症の原因の一つではありますが、イコールではありません。
『炎症起こしているので、抗生剤を使う』というのは間違いです。
もちろん、細菌感染が原因の炎症には使用しますが(^^;)
『炎症』とは?
『炎』という字からすると、何か燃えてるような感じですね。
例えばwikipediaを見てみると...
『炎症(えんしょう、英: Inflammation)とは、生体の恒常性を構成する解剖生理学的反応の一つであり、恒常性を正常に維持する非特異的防御機構の一員である。炎症は組織損傷などの異常が生体に生じた際、当該組織と生体全体の相互応答により生じる。』
と冒頭に書いてあります。
うん。なんのこっちゃ(^-^;
これを簡単に言い直すと
『炎症とは、生き物の正常な状態を維持するための反応であり、組織が傷ついた時などに起こる』
という感じでしょうか。
つまり、体に色んな異常が起きたときに起こる反応の一つです。
原因はいっぱいあって、例えば擦過傷や打撲などの物理的なもの、ウィルスや細菌などの感染、高温や低温などの温度によるものもあります。
これらによって組織が異常を起こすと、発赤(ほっせき)、熱感(ねっかん)、腫脹(しゅちょう)、疼痛(とうつう)が生じます。
これら4つは『Celsusの4徴候』と呼ばれます。呼び方はどうでもいいけど(^^;)
(さらに組織の機能障害を加えて『Galenosの5徴候』と呼ぶこともあります。)
つまり、炎症を起こすと、『赤くなって、熱くなって、はれて、痛い』ということです。
(どれかが欠けることもあります)
なぜこのような症状が起こるのか?
組織に炎症が起こると毛細血管の拡張が起こり血流が増加します。これによって治癒に必要な物質を送り込みます。
拡張した血管から液体成分が漏れ、腫れます。白血球も血管外に移動し、感染の防御となります。
この中で痛みに関連する物質も放出され、痛みが出ることで異常を感知します。
つまり、これらの反応は組織が受けたダメージを回復させるためであり、悪化を防ぐためです。
痛みが出るのも、痛みがあることで運動を制限させ、休養させるためです。
治療は?
もちろん、原因によります。感染が原因であれば感染の治療。
上にも書いた通り、炎症とは体を回復させるための反応でもありますので、炎症があるからと言って全てを抑え込む必要はありません。
ただ、痛みなどの症状が強い時はもちろんお薬は有効です。
炎症そのものを抑える為には『抗炎症薬』というのもあります。
ステロイド系と非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の2つに大きく分かれます。
NSAIDsで有名なのはロキソニン、ボルタレン、アスピリン、バファリンなどですね。
こういったお薬も上手に使いながら症状を抑えつつ、原因を治療していくのが大事だと思います。
医療関係者はよく使う言葉だけど、患者さんにはちゃんと伝わらない言葉って色々ありますね。
そういうわかりにくい医療用語について、これからちょくちょく書いていこうかと思います。
こういった解説のようなブログになると文章ばっかりで面白みに欠けるような気もしますが...(^^;)
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