たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2019.08.07 | Category: 医療系のお話 耳

今日は8月7日『鼻の日』

毎年鼻についての話題を書いてますが、鼻の目新しいお話もないので耳の話です(^-^;


8月1日に厚生労働省から新薬の承認されたお薬のニュースを発見。


なんと、鼓膜穿孔の治療薬


鼓膜穿孔、つまり鼓膜に穴が開いてしまってる状態ですね。
例えば中耳炎に対する鼓膜切開や鼓膜チューブを入れた後、または単純に耳かきなどを奥に入れすぎて鼓膜を突いてしまって穴があいたり。
鼓膜の穴は自然と塞がることが多いのですが、稀に穴が残って塞がらないことがあります。
(穴の大きさにもよりますが)

そこまで大きな穴じゃなければ聴力への影響も大きくないのですが、鼓膜の穴から細菌などが入り込めるので耳漏(耳だれ)を繰り返すことがあります。


このような穴が残っている状態を『慢性中耳炎』と呼びます。

そして、この穴を塞ぐために手術をする場合は、耳の後ろを切って側頭筋膜というものを採取して使ったり、人工真皮のようなものを使っていました。




このニュースを発見した時、『おぉっ!』と期待して調べてみたのですが...


このお薬、トラフェルミンというヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と呼ばれるものです。

簡単に言うと、細胞や血管の修復を促すような作用があり、今までも褥瘡や皮膚の潰瘍などにスプレーで使用されていました。


で、この作用を鼓膜にも使おうってことですね。
どうやらゼラチンスポンジが同封されていて、それに浸して穿孔がある部分につけるようです。
(まだ正式には商品化されていないので、正確かはわかりません)




ん~こういう治療法って結構前から学会とかで聞いたことあるな...(゜゜)

って調べてみるとやっぱり同じ成分の薬を使って治療をしている論文は10年以上前からありますね。
有効性が確認され、商品化の要望も多かったのでしょう。


もちろん、商品化されれば簡便に使えるようになるので、非常にありがたい。



とりあえず、正式な承認と詳細を期待して待ちます(^^)

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