たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2019.04.26 | Category: お薬の話 医療系のお話

咳のお話3連発です。

ただ、この話は特に書きたかったので(^-^;



よく患者さんから言われます。

『子どもの咳が昨夜ひどかったので、前にもらったテープを貼りました』


ホクナリンテープツロブテロールテープという名前のものですね。


このテープ。気管支拡張薬の一種です(正確にはβ2刺激薬と言います)。
前回書きましたが、末梢性鎮咳薬の一つになるわけで、直接的な咳止めの効果はありません。


テープからじわじわと薬の成分が出てくるようになっていますので、効果がでるまでに4~6時間程度かかると言われています。
そして12時間後くらいに効果はピークになり、長時間効果が持続するようにできています。
なので、激しい咳に対して即効性のあるお薬ではないわけです。



当然のことながら、気管支を拡げるだけのお薬ですから、気管支が狭くなっている状態以外には効果ありません。

よって、使用する場合も結構限られています。

・気管支喘息
・ぜーぜー音がするような気管支炎

くらいです。

なので、呼吸の音を聞いて異常がない場合はほぼ使いません。



当然お薬ですから、副作用もあります
・手足が震える(振戦)
・動悸がする
といった症状が典型的な副作用です。
頻度としても結構多く、10歳以下の子どもで1割以上の確率で手足の震えがみられたという報告もあります。



何度でも書きますが、使うお薬は少ない方が良いです。
『咳が出る』⇒咳止め、貼り薬、去痰薬etc...
というパターンは本当によく見ますけどね(^-^;


もちろん、ちゃんとした使い方であればしっかり効くお薬ですよ(^^)




結論。
ホクナリンテープ、ツロブテロールテープは『咳止めテープ』ではありません。
すぐに効くようなお薬でもありません。
必要な時はしっかり使うことが大事ですが、不用意には使わないようにしましょう(^^)

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