たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2017.07.15 | Category: 医療系のお話 学会

昨日7月14日、こんな研究会がありました。
DSC_1642.JPG

診療が終わって急いでメルパルク熊本へ。7時30分開始。ギリギリ(*^^)v



東部小児耳鼻咽喉科疾患研究会ということで、読んで字のごとく熊本東部の小児科と耳鼻咽喉科が集まる勉強会です。
小児科と耳鼻咽喉科の疾患を1回ずつ交代で講師を呼んで講演してもらいます。



今回は耳鼻咽喉科の順番で、『嚥下障害に対する外科的治療の適応と効果』という題名の講演がありました。



講師は特に内視鏡で行う手術で高名な先生で、色々な学会で同様の発表をされていますし、論文もたくさん書かれています。
特に『輪状咽頭筋切除術』という手術を内視鏡で日本では初めて行い、素晴らしい成果を上げています。



内視鏡手術のメリットはなんといっても体への負担が小さいこと
いままでの方法だと首を大きく切開しなくてはならなかった手術が皮膚に一切傷つけずできますので、術後の合併症も少なくなります。




嚥下の問題は常に誤嚥との闘いです。誤嚥(食物や唾液が気管に入る)は肺炎を引き起こし、生命に関わります。



『誤嚥防止手術』という手術もあるのですが、この手術は『喉頭』の機能を犠牲にします。

基本的に声が一生出せなくなるわけです。


昨日の講演でも「嚥下機能改善手術で対応できるのに誤嚥防止術を行われ喉頭を犠牲にしてしまっている方がいる」という話もありました。




私も大学病院時代はしばらく嚥下外来の担当をしていましたが、手術を行うことはあまり多くありませんでした。




食物の形態、食事の姿勢、食後の注意点などを説明して簡単なリハビリテーション指導するだけで改善することは少なくありません。



嚥下の改善にはリハビリテーションが非常に重要です。
手術をしても必ず術後のリハビリテーションは行っていましたし、全ての治療を組み合わせて選択することが重要です。



嚥下も勉強すればするほど奥が深い...


しかしこの研究会、勉強になるのはもちろん、普段なかなか関わりあえない小児科の先生とお話できたり、小児科の知識も得られるので貴重な研究会です(^^)




まぁ耳鼻科医は5人くらいしか参加していませんでしたけどね!

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