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2016年7月の記事一覧
先日報告いたしましたが、7月20日~23日まで埼玉県は所沢の国立障害者リハビリテーションセンターにて補聴器適合判定医師研修会に参加してきました。
4日間、ホテルと研修会場を行き来するのみの生活で補聴器について改めて勉強しましたが、いろいろ考えさせられることがありました。
まず、補聴器の調整をしっかり行うには、やはり大変な労力が必要ということです。
一度難聴になってしまうと、脳自体が「聞こえない脳」になってしまい、それを再び「聞こえる脳」にするにはしっかりと調整された音を聞き続けなくてはならない。「トレーニングが必要」というお話がありました。
宇都宮の耳鼻科の先生がお話しされていましたが、その先生の補聴器外来ではまず補聴器を貸し出し、約3か月かけて少しずつ調整し、その後に購入を検討していただくそうです。
済生会宇都宮病院のホームページからその先生が作成された冊子をダウンロードできます。非常にわかりやすく書かれていますので、ぜひご覧ください。
☆済生会宇都宮病院 難聴の聞こえは「トレーニング」しないと!良くならない!
http://www.saimiya.com/images/stories/sinryou/jibi/ent.pdf
そのようなお話しを聞いていて一番思ったのが、「補聴器を検討される側」の苦労が大きすぎるということです。
メガネ屋さんや時計屋さん、通販でも補聴器は購入できますが、聴力検査一回だけで完璧に補聴器を調整できるわけもなく、しっかりと調整するには耳鼻科と補聴器店を何度も通っていただかなくてはなりません。
(まして通販では検査すらしないわけですが、、、)
そのような現状で補聴器の使用に積極的になれないのも無理ありません。
日本の補聴器の普及率が欧米にくらべてかなり低いと言われています。それに加えて高額な補聴器を購入したけど、使えなくて無くしてしまったという話が非常に多いです。
ちゃんと調整していない補聴器ははっきり言って耳には害です。
補聴器は本当に進化しており、ハウリング防止(ピーピー音を消す)、雑音防止(周囲の雑音を消す)、指向性(どっちから音がしているかわかるようにする)など様々な機能がどんどん進化しています。防水機能もついています。Bluetoothを使って音を飛ばしたりもできます。
また、補聴器自体も小さくなっていますし、デザインも様々から選べます。
(デコレーションしたりしている方もいます)
この補聴器はメイドインジャパンデザインらしい、機能的なカッコよさがありますね。
そのような素晴らしい機器をちゃんと使用できるように、もっと良い仕組みをつくるためには、耳鼻科と補聴器店、補聴器メーカーが協力することが大事だと思います。文章や検査結果のやり取りだけでなく、もっと購入される方々の面倒を少なくできるような方法があるのではないか、、、
私の今後の課題として取り組んでいくつもりです。
余談ですが、今回の研修会の参加者名簿。
私は院長に昇格したようです(^^)
ようやく大雨は落ち着いたのでしょうか。しかしまだ油断はできないような気がします。
先々週あたりからのど・鼻の調子を崩される方が多いようです。
大雨で濡れてしまったり、夜が蒸し暑いので冷房で温度を下げすぎてしまったり、、、
とは言っても冷房を使わないと熱中症になってしまいそうな蒸し暑さですので、上手に調整しましょう。
8月7日は第56回「鼻の日」。なんと1961年制定。歴史がありますね~
というわけで梅雨が明けてくれれば夏が到来します。
いわゆる「夏風邪」というものは主にアデノウィルスやエンテロウィルスなどが原因となります。それらのウィルスが起こす病気の代表的なものを挙げてみます。特にお子さんに注意が必要です。
◎ヘルパンギーナ
急な高熱と口の奥の方に水ぶくれ(水疱)ができます。水疱が破れると口内炎のようになります。口の中、のどの痛みで、食事・水分が摂取できず脱水になることもあります。痛みが強いと唾液を飲み込めなくなりますので、よだれを垂らしているような時は中止が必要です。
◎手足口病
その名の通り、手足と口に発疹ができます。まずは発熱から始まり、やはり水ぶくれのような形で、発疹が出現します。口の中全体に水ぶくれができて痛みがあります。
◎咽頭結膜熱
夏にプールで流行してしまうことが多いため「プール熱」とも呼ばれます。アデノウィルスが原因です。発熱で発症し、のどの痛み、結膜炎が出現します。学校保健法で症状がなくなってから2日経過するまでは登校禁止とされています。
どれも症状が強ければ入院することもある病気ですが、ウィルスが原因であり、抗生剤は効果がありません。
熱が高ければ解熱剤を、脱水には点滴を使うという対症療法が中心となります。
3~4日程度で治ることが多いですが、髄膜炎や心筋炎などの重篤な合併症を起こすこともあり、注意が必要です。
乳幼児・小児の場合は自分で上手に症状を訴えることができませんので
「元気がない」
「なんだかぼーっとしている」
などの見た目も重要です。
下痢・腹痛も起こすことがあり、やはり脱水になりやすい状態です。
食べやすいお粥や麺類、スポーツ飲料などを少しずつでも摂取するようにしましょう。
これらは飛沫感染と接触感染で広まります。
飛沫感染とはくしゃみや咳で唾が飛ぶことで、接触感染は直接触れることで感染しますので、うがい、手洗い、マスクがとても大切です。
もうすぐ夏休み。楽しい思い出を作れるようにしっかり予防しましょう。
(ちなみに私は昔旅行先で水ぼうそうになり、全然楽しくなかった思い出があります、、、)
7月20日~7月23日まで補聴器適合判定医師研修会のため、副院長不在となります。
診療は通常通り行っておりますので、どうぞお越しください。
補聴器については、一度詳しく書こうと思っていますが、現在補聴器を使用している方でも適切に調整できていない方が多くいらっしゃいます。
せっかく高額な補聴器を購入されても
「補聴器をしても聞こえない」
「音が大きすぎる」
「ピーピー鳴ってうるさい」
などの理由で使用せずに無くしてしまったという方がたくさんいらっしゃいます。
金銭的にも、生活の質・QOL的にも非常にもったいないことです。また、難聴の程度によっては補聴器購入の補助金を受け取れることもあります。
また、難聴と言っても治る難聴と治らない難聴がありますので、まずは難聴の原因をしっかり診断することが大切です。
当院では必要時に補聴器販売店より認定補聴器技能者の方に来ていただき、補聴器調整など相談を行っておりますので、どうぞ一度ご相談ください。
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