たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2020.07.27 | Category: 医療系のお話

昨日今日と熊本で新型コロナウィルス感染が確認されたニュースが大きく取りざたされています。

東京や大阪、福岡などの状況を見ると熊本にも拡大してくることは想定していましたが、連休中に急に報告数が増えました。

普通に考えるとこれからもっと増える可能性が高いということになってしまいます。



よくニュースなどで聞く意見として、検査数が増えていることで軽症で診断される数が増えて感染者数が増えているように見えるというものがあります。
確かに第一波の時、検査体制が整わず、検査数自体が少なすぎた時期と比較して検査数が増えています。
第一波の時も実際はもっと感染者数が多かったことはまず間違いないでしょう。



さらに『感染者数は増えているが、重症者数は増えていないので心配するような状況ではない』という意見も見ます。
この考え方はちょっとどうかなぁ...と。

新型コロナウィルス感染は発症してから1週間程度経過して急激に症状が悪化することが多いと言われています。
(もちろん悪化せずにそのまま軽快する方が多いのですが)

そしてご存知のように重症化しやすいのは御高齢の方や既往症のある方です。


若い世代に広がる⇒高齢者にも広がる⇒重症者が増える

という風にタイムラグが数週間できることは予測できます。

つまり重症者が増えるのは今後。という考え方もできるわけです。
東京都が発表している重傷者数(人工呼吸管理が必要)を見るとすでに少しずつ増えてきているようにも見えます。



もちろん、少しずつ治療方法が確立されてきているという良いニュースもあります。
抗ウィルス薬のレムデシビルやデキサメサゾンというステロイドが効果があると報告されています。
今後、ワクチンの開発も含めてさらに進んでいくでしょう。



というわけで(?)

熊本でも市や県が発表している資料を見ると、現在は若い世代が感染の中心のようですが当然十分な注意が必要です。

今後も油断は禁物。『ただの風邪』のように考えてはいけません。
若い世代の方々は自分たちは重症化しないからと油断しないようにしましょう。
周りの人に感染させるリスク、そして感染が拡大すると社会・経済的に自分たちにも影響が回ってくるリスクも考えましょう。


やっぱり正しく恐れて正しく予防ですね(^^)


Posted:2020.07.20 | Category: 医療系のお話

以前からちょこちょこと書いてますが、マスクを正しく使うのは結構難しいです。

よければ以前のブログも併せてご覧ください。
(⇒2020年5月25日『2歳未満のマスク』

ここでも書いてますが、マスクを使う時に大事なことは

①しっかりと鼻から顎まで覆う
②マスクの表面には触れないようにする
③外す時もヒモの部分を持って外す

この3つでしょう。


については最近かなりしっかりされている方が多い印象です。
鼻を出した『鼻マスク』の方は少ないですね。

最近国会で感染症の専門家として熱く発言していた方が思いっきり『鼻マスク』だったのには笑ってしまいました(^^;)


これが一番難しいところだと思います。
診療するためにマスクを外していただくと、そのままポケットに...なんてこともあります。


これは②と同じようなことですが、外す時も油断しないようにしましょう(^^)
外した後に手洗いを忘れずに。



私も診療中はずっとマスクを着用しているのですが、ふと触ってしまうことがあります。

一番危険なのが、耳の診察をした後です。

DSC_1578.JPG

耳の中を見るときにはこのような顕微鏡を使用します。

ただ、マスクをしながらだと結構レンズが曇ります(*_*;
曇ると当然鼓膜の細かい所見が見えません。


鼻の横から息が漏れて曇ってしまうのですが、どんなにマスクを密着させてもなかなかゼロにはならないんです...

耳の診察中息を止めていれば大丈夫なのですが、処置が必要だったりして長くなるとそうもいきません。


というわけで顕微鏡を覗いている間だけ、あえて『鼻マスク』になっていることがあります。ご了承くださいm(__)m



マスクを少し下にずらすわけですが、手は使いません。

口と鼻をフガフガしてずらしてます。

戻す時も同じくフガフガして戻してます。

もしも透明なマスクだったら食事中のカピバラのような顔をしていることでしょう。

kapibara-01.jpg
(参考画像)

鼻に引っかかることが多く、戻す時の方が難易度が高いです('Д')


引っかかった時はマスクのヒモのところをちょっと指で上げて直します。
そして手をアルコール消毒。

もともと診察し終わると必ずアルコール消毒するようにしているので、ご安心下さい(^-^;


というわけで変なテクニックの紹介になってしまいましたが、皆さんマスクは大事に上手に使いましょう!

Posted:2020.07.13 | Category: お薬の話 医療系のお話 鼻

今日は雨も落ち着いていますが、明日からまた雨の予報です。
これ以上被害が広がらないよう祈りつつ...


今回は新しいお薬の話題です。

デュピルマブ(商品名:デュピクセント)』という薬になります。
抗IL-4/13抗体というもので、これまでアトピー性皮膚炎、気管支喘息に使われてきました。

それが今回、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に適応が拡大された形です。

IL-4,IL-13というのはインターロイキンといってサイトカインと呼ばれるものです。
最近、サイトカインといえば新型コロナウィルス話題の中でも『サイトカインストーム』という言葉を聞かれた方もいらっしゃると思います。

サイトカインとは簡単に言うと免疫に関わる蛋白質でインターロイキンの他にも有名なインターフェロンもサイトカインの一種です。
(サイトカインストームとはサイトカインが感染症などの原因によって過剰に産生されてしまう状態)

特にIL-4、IL-13はアレルギーと関連しており、デュピルマブはこの伝達を阻害することによってアレルギーを抑えるものです。

なので、アレルギーと関係するアトピー性皮膚炎や気管支喘息に効果を発揮します。



今回、『鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎』に対して使用できるようになったわけですが、これは特に『好酸球性副鼻腔炎』というものです。
好酸球性副鼻腔炎についてはHP内でも簡単にですが触れてますのでよかったらご一読ください。
(⇒副鼻腔炎について


好酸球性副鼻腔炎は喘息を高率で合併し、鼻茸(ポリープ)が非常にできやすく、嗅覚障害を起こしやすいという特徴があります。
手術でポリープを切除しても再発の可能性が非常に高いことも知られています。


好酸球性副鼻腔炎はなかなかコントロールが難しく、このデュピルマブに期待することが大きいのですが、もちろん(?)この薬もいいことばかりではありません。


まず、価格が高いです。
生物学的製剤と呼ばれているもので、1本6万円以上します。
基本1か月に2回使用するので、月に12万円以上です。
(3割負担で4万円弱)

この辺りも含めて花粉症に対する『ゾレア』と似ていますね。
(⇒2020年1月21日のブログ『花粉症の新しい治療?』


ただし、『好酸球性副鼻腔炎』は指定難病に認定されていますので、診断されている方は助成を受けることはできます。
この診断もなかなか大変で、血液検査にCT所見に鼻茸を実際に摘出してその中に好酸球がたくさんあるかどうかまで確認しなくてはなりません。
なので確定診断までついて、申請・認定までされている方は意外と少ないです。
しかも助成を受けるには指定医療機関を受診する必要があります。
(当院は現在申請中ですm(__)m)


そして、飲み薬ではなく、注射(皮下注射)です。
ご自分で注射することが可能なので、2週間に1回ずつ通院するということはありませんが、内服よりは大変。


というわけで、全ての薬にはメリット・デメリットがあるわけですが、期待の大きい薬には間違いありません。


Posted:2020.07.07 | Category: 医療系のお話

熊本では6月1日から学校が再開され、すでに1か月以上が経過しました。


やはりというか、6月の中旬頃から体調を崩す小中高校生が増えてますね。
普通の風邪症状が最も多いのですが、風邪などの感染症はもちろん学校でもらってしまうことが増えたからでしょう。

また、アレルギーが悪化する子も多いです。
花粉症を含むアレルギーも自宅だけで生活していればそこまで悪化することはなかったはずですが、やはり外出が増えることで悪化してしまう方が多いですね。


大人の方では扁桃炎が非常に多いです。
それもかなり重いことが多く、連日点滴したりもしてます。


最近では立て続けに中学生で突発性難聴の診断となった患者さんが数名いました。
教科書的には40~50歳くらいが多く、10台は珍しいです。


突発性難聴は基本的に原因不明なのですが、睡眠不足やストレスが関係すると言われています。
幸いなことに症状が起こってからすぐに受診された方ばかりで皆さん改善しましたが、早めの治療が大事な病気ですので『子どもがいうことだから』と軽く考えないようにしてください。『耳が何となくつまった感じ』程度の症状のこともあります。



やっぱり急に環境が変わるということは結構な負担になるんでしょうね。


少しずつ新しい生活に慣れていきましょう(^^)

Posted:2020.06.30 | Category: 医療系のお話 耳

前回に引き続き聴覚情報処理障害(APD Auditory Processing Disorder)についての話です。

前回書いたようにAPDに確実な診断をするということは大変です。

では、診断がついたとしたら、治療は?

結論から書いてしまうと『治療法』というものは現在確立されていません
なので、いかに『聞き取れない』という状況を減らすことができるかが重要だと思います。


いくつか有効と言われている方法をご紹介します。

①周囲の環境を整える
APDで最も多い症状が『騒音の中で聞き取りが悪くなる』というものです。
職場ではなかなか難しいかもしれませんが、なるべく静かな環境にするということは大事です。
話し声、椅子をひく音、テレビの音、本をめくる音などなど騒音は様々です。全部なくすことは難しいですが。


特に私が大事だと思うのは、周囲の理解を得るということです。
学校では前の方の席で授業を受けるなど。
職場で指示が聞き取れないことが多ければ、指示をメモに書いてもらったり、騒音の少ない場所での仕事にしてもらったり。会議では授業と同じように聞き取りやすい位置にしてもらったり、色々方法はあるかと思います。
もちろん職業によって難しいこともあるでしょうけど、職場の方と一緒に解決法を探すことができればと思います。

これまで当院に受診された方で希望された方には職場に診断書というより意見書(そもそも診断が難しいので)のような形で病状を説明する書類をお渡しもしてきました。うまく活用していただければと思います。


②色々な道具を使う
『FM補聴システム』というものが有効とされている報告があります。
簡単に言うとトランシーバーのような感じで、特に学生さんで授業を受けるときに教師が送信機(マイク)をつけて、レシーバーを通して授業を聞くという形です。
ただ、このシステムは不特定多数が話し手になる職場では活用しにくいですね。

他にもノイズをカットするような耳栓を使ったり、電話であればノイズキャンセリングイヤホンをつけて聞くという方法も良いそうです。

聴覚以外から情報を得るということで、視覚を使うメモやメールなどをうまく活用するのも良いでしょう。

いまでもありますが、音声を文字化するツールがもっと実用レベルになればいいなぁと思っています。


③聴覚トレーニング
簡単に言うと正確に言葉を聞き取るための練習です。
これも色々種類があり、欧米では訓練用のソフトもあるそうです。

簡単な訓練であれば歌や文章を聞いてそれを書きだしたり、音に対する集中力をつけるために特定の単語を指定して音声の中でその単語を聞き出したりする訓練があります。

ただ、前回のブログで書いたような色々な検査を受けた上で、特に聞き取りにくい音のパターンを解析してそれに合わせた訓練を行うことが大事なようで、そこまで考えるとまだまだ一般的ではないかと思います。
また、成人ではなかなか効果がでないという意見もあります。




というわけで2回にわたってAPDについて書いてきました。
なかなか難しい病態で、これからもっと色んな診断方法や対処方法ができるのを期待しています。

Posted:2020.06.26 | Category: 医療系のお話 耳

今回もあえて新型コロナ以外の話題を。


以前から『聴覚情報処理障害』という病気ではないかと相談に来られる患者さんが時々いらっしゃいます。

この聴覚情報処理障害という言葉、あまり広く知られていないのですが以前にブログに書いたことがあります。
2018年11月29日のブログ『語音聴力検査について』


読んでいただければわかりますが、メインは検査についての話で聴覚情報処理障害については2行ほど触れているだけです(^-^;



しかし、耳鼻科医の中でもあまりメジャーではない(知られていない?)ということもあり、他に情報発信しているサイトが少ないからか、『聴覚情報処理障害 熊本』で検索すると結構上位に表示されます。
それを見られて来院される方が多いようです。




さて、この聴覚情報処理障害。
はっきり言ってわからないことが多いです。
論文検索しても数が少ないです。



聴覚情報処理障害は簡単に言うと『音は聞き取れるけど、何と言っているかわからない』というものです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)や、そのほかの精神疾患や心理的問題などが背景として関連が考えられていますが、はっきりと原因を指摘するのは難しいです。


受診された方々が言われることが多いのは
『仕事や学校で聞き返しが多く、嫌がられる』
『特に騒音があると全く内容がわからなくなる』
『他の耳鼻科で聴力検査だけされて異状ないと言われた』

受診されるのは20~30台の方が多いかと思います。
症状はもちろん個人差が大きいのですが、やはり就職して仕事を始めてから困るという方が多いです。


では、どのように診断するのか。

聴覚情報処理障害の第一の特徴は聴力の低下がないことですので、まずは聴力検査を確認します。
同時に語音聴力検査という聞き分けの検査を行います。
(語音聴力検査について詳しくは上に貼った以前のブログをご参照ください。)

この2つの検査で異常がないことがまず前提です。


そして他の検査は...色々あるのですが
とある論文の一部を抜粋します。


・基本的な聴覚検査
 標準純音聴力検査、語音聴力検査、耳音響放射(OAE)
・電気生理学的検査 
 聴性脳幹反応(ABR)、聴性中間反応(MLR)、P300など
・聴覚認知検査
 両耳分離聴検査、耳管情報処理検査、歪み語音検査など
・視覚認知検査
・知能、注意、記憶、言語発達などの検査
・発達歴、心理面などの問診、質問



一部略していますが、これだけの検査が挙げられています。
脳波の検査や騒音がある中での聴力検査などなどなど。
この中で一般的な耳鼻科医院で出来る検査は標準純音聴力検査と語音聴力検査くらいでしょう。
これを全部検査しようとすれば専門的に診ている大学病院などでしかできないと思います。


つまり、当院も含めて普通の耳鼻科で完全に診断をつけるのは難しいわけで(そもそも診断基準もはっきりしてません)。
症状やこれまでの経過などのお話を聞くだけでもある程度の診断はできるかと思いますが...



もちろん、『普通の耳鼻科じゃわからないから受診しても意味がない』というわけではありません。ちゃんと出来る限りの対応します。


これまで受診された方々にもこういった現状を正直にお話して、その上で今後の対応などについて相談してきたわけですが、長くなっているのでまた次回に!


Posted:2020.06.22 | Category: こどもの病気 医療系のお話

久しぶりに新型コロナ以外の話題です(^-^;


以前から水泳は喘息に良いという説があります。

私も3年ほど前にブログで触れたことがあり
2017.7.26のブログ『プールと中耳炎』


軽くしか触れていませんでしたが、今も水泳で呼吸を鍛えることは悪くないと考えています。


さて、最近この説について研究の結果が発表されたのですが...

残念なことに水泳によるアレルギーや鼻炎・喘息の予防・治療効果はないという結果でした。


この研究では3歳で『スイミングスクールに参加している子ども』と『参加していない子ども』と比べて、5歳の時に喘息や鼻炎があるかどうかを検討したものです。
その結果、アレルギーの発症を予防したり、治療の効果は確認できなかったということです。


結論として、アレルギーの治療・予防効果を期待して無理に水泳を推奨する必要はないということです。


もちろん、水泳の良い面はアレルギーに関するものだけではありませんので、この調査結果だけをみて水泳そのものを否定するわけでは全くありません。



コントロール不良の喘息であれば運動そのもので発作を起こす可能性もあります(運動誘発喘息)。
特に乾燥した冷たい空気の中での運動は注意が必要とされていますが、室内プールであれば湿度もあり気温も調整されているでしょうから発作は起きにくい環境というわけです。ホコリや花粉も吸いこみにくいでしょうしね。


トップアスリートの中にも喘息持ちの方はたくさんいると言われています。
喘息があるからと諦めずに、主治医と相談しながら上手に、必要時はお薬を使いながら運動もできた方が良いでしょう。


スイミングスクールに通ったことはありませんが、私も水泳は好きです(^^)

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