たかむら耳鼻咽喉科

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医療系のお話の記事一覧

Posted:2020.01.21 | Category: お薬の話 医療系のお話 鼻

前回ちょっと早めの花粉症の話を書きましたが、やはり一時的なもので現在は落ち着いているようです(^^)

で、今回も引き続き花粉症関連のお話です。

昨年の末にゾレア(オマリズマブ)というお薬が季節性アレルギー性鼻炎に対しての適応追加承認されました。


このお薬、もともとは気管支喘息、慢性蕁麻疹の治療剤として使用されていました。
それが季節性アレルギー性鼻炎、つまり花粉症に使用できるようになったわけです。


『ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体』というもので、生物学的製剤の一種になります。

生物学的製剤とは、化学的に合成された化合物ではなく、生体がつくる物質を薬剤として利用するもので、例えばワクチンや血液製剤なども含まれます。

このお薬がどういった原理でアレルギーに効くかという話ですが...
IgEというのは免疫グロブリンと呼ばれる抗体の一種なのですが、アレルギーのある物質(アレルゲン)が体内に入ってくると反応しアレルギー症状を起こします。

このIgEを攻撃するように作られたお薬がこのゾレアです。


最も一般的なアレルギーのお薬である抗ヒスタミン薬はアレルギーが起こって放出されたヒスタミンという物質を抑えることで症状を改善するのですが、このゾレアはアレルギーそのものを抑え込むようなイメージですね。


薬の原理から考えると間違いなくしっかり効くはずです。


ここまで書くといいことばっかりのお薬ですが、いいことばかりの薬なんてあるはずもなく...


ここからが大事です。
このお薬花粉症なら誰でも使えるわけではありません。

zorea01.png
ゾレアの添付文書の季節性アレルギー性鼻炎の箇所のみ貼り付けてます。

要するに...
血液検査で花粉症が確定していること
・血液中のIgEの数値が一定以上であること
・花粉を浴びないようにして点鼻薬や内服薬などを使用しても症状が強いこと

が必要です。


つまり『普通に治療して効果があるなら使用しない』ということです。


そしてもう一つ問題点を挙げると、価格です。
生物学的製剤は普通のお薬に比べると高価です。

体重とIgEの数値で投与量、投与回数(2週間もしくは4週間に1回)が決まるのですが、最高容量の600mgを2週間に1回投与で考えると...

1か月で約36万円、3か月投与すると100万円を超えます(・_・;)
3割負担でも1シーズン30万円以上になりますね。
(あくまでも最大容量の場合ですけど)


いままで使用されていた気管支喘息と慢性蕁麻疹と比べると花粉症の場合は患者さんの数も圧倒的に多いはずですし、どんどん増え続ける日本の医療費のことも考えなくてはなりません。

ただ、値段は今後改訂されていくだろうと思います。



というわけで...


花粉症で苦しんでいる方は多いと思いますが、普通の治療をしっかりすれば症状が全然コントロールできないようなことはほぼありませんし、この薬を使うことは現時点ではないかな~と。


他の疾患で使用されているので安全性も問題ないとは思いますが、ちょっと様子見ですね(^^;)


Posted:2020.01.12 | Category: 医療系のお話 鼻

今年もスギ花粉症の季節がやってきます。
だいたい例年通りだと2月頃から飛散が開始します。

kahun202001.jpg
日本気象協会のスギ花粉飛びはじめ予想。
熊本は2月中旬からの予想です。


そして...

kahun202002.jpg
花粉の飛散量はすごく少なそうです(^^)/
(ただし、油断は禁物です)


というわけでスギ花粉症の方には朗報なのですが...


年明けからスギ花粉症をお持ちの方の受診が相次いでいます。
しかも症状も鼻水、鼻づまり、目のかゆみ。まさに花粉症の症状です。


鼻の中を見ても確かに花粉症っぽい。

というわけで...


もしかしたらもう花粉飛散しているのかもしれません。


年末年始から暖かい日が結構ありましたから、そういう時にスギが『もう春が来たのかな?』と間違って花粉を飛ばしちゃうことがあります。
秋に桜が開花することがあるのと似たような感じですね。

また気温も下がっているので、長々と続くことはないと思います...


そろそろ花粉症の準備は考えておきましょう(^^)

Posted:2019.12.16 | Category: お薬の話 医療系のお話

連日インフルエンザ陽性の患者さんが多数出ております。

近隣の小中学校、幼稚園でも学級閉鎖が相次いでおり本格的な流行になってきましたね。

『熱は下がって症状もあまりないけど、職場から検査するように言われました』
『インフルエンザじゃないと証明してもらってから登園してくださいと言われました』
というのも多いです(^-^;

そこまでやってもやっぱり流行してしまうんですね。


インフルエンザは基本的に自然治癒を期待しても良い病気ですが、やはり高熱が出てキツい。
症状を早めに抑えることを期待してお薬を処方するわけです。

お薬を処方するときはお子さんにはタミフル、吸入が問題なくできるのであればイナビルを処方することが多いです。リレンザという選択肢もあります。
ゾフルーザは以前に書きましたが、色々問題があり処方してません。


症状が強くなく、全身状態が問題なければ処方せずに様子を見ていただくこともあります。



インフルエンザのお薬の話になると出てくるのが予防投与の話。
予防投与の適応
・家族や同居人がインフルエンザにかかっている
・インフルエンザにかかった時に重症化の恐れがある
(高齢者、持病があるなど)
という場合です。



最近、熱で他院に受診したところ、流行っているからという理由だけでタミフルを2日分だけ処方されたという方がいました。
インフルエンザの検査もされて陰性なのに。
特に持病もない、若い方なのに。
副鼻腔炎と言われ抗生剤も2日分、咳もないのになぜかホクナリンテープまで。


これはどう考えても間違った処方ですね(*_*;
処方された方もおかしいと感じ、タミフルやホクナリンテープは使わなかったそうです。
処方した医者よりもしっかりされてます(^^;)

Posted:2019.12.10 | Category: こどもの病気 医療系のお話 鼻

前回書いたように子どもの鼻水でお悩みの方は多いと思います。

そこで、自宅でできるケアとして簡単で、かつ効果もあるものといえば鼻水吸引
今回は鼻吸い器と使い方のコツについて書いてみます。


まずは、鼻水い器の種類について。

これ、結構質問されることが多いのです。
『鼻吸いは電動のものを買った方が良いですか?』

鼻水い器は大きくわけて、『口で吸うタイプ』と『電動で吸うタイプ』があります。
『口で吸うタイプ』は数百円からあります。
『電動で吸うタイプ』は3000円くらいから高い物だと30000円くらいするものまで。


どちらが良いかと言われると...上手に使えるならどっちでも大丈夫かと思います。
ただ、私も自分の娘に使用していますが、電動の方が圧倒的に楽です。
子どもは基本的に鼻を吸われるのは嫌がります。動きます。
(大人でも嫌でしょうけど)

鼻吸いは鼻の入口をピタッと塞ぐようにしないとなかなか吸えないので、位置を調整しながら吸わなくてはなりません。
この時、口で吸うタイプだと息が続かなくなることが多く、しっかり吸うまで何度も何度もトライすることが多くなってしまいます。
なので、電動のタイプで持続的に吸いながら位置を調整した方が時間も短くできると思います。
吸う方も吸われる方も楽な方が良いですね(^^)

ちなみに私は4000円くらいの電動式を使ってますが、十分に吸えます。



次に吸い方のコツについて。
お鼻の形を見てみましょう。

hanasui01.png
こちら鼻の断面図。

鼻を吸う時はまず鼻の穴をピッタリと塞ぐように下からノズルを入れます。
ただし、それだけだと鼻の入口と上の方だけしか吸えません。

hanasui02.png

そこでノズルを入れたまま角度や向きを変えてみて下さい。
溜まっているポイントに当たればズルズルと吸えるはずです。


ただし、なかなか吸えないからといって奥の方までグリグリとしすぎるのはダメ。
鼻の粘膜はすぐに傷つきます。
鼻血が出てしまったり、さらに傷つけて粘膜が腫れてさらに鼻づまりの原因になることもあります。
しっかりと密着できていればそこまで奥に差し込まなくてもちゃんと吸えるはずです。
吸う時に痛みがあると、その後鼻吸いを嫌がってしまいますので、あくまで優しく。


鼻水の粘り気が強いとなかなか吸いにくいこともあります。
そういう時はしばらく蒸気を当てて柔らかくしてから吸うのは良い方法です。
特にお風呂の後は吸いやすいハズです。



というわけで、今回は鼻吸いについてでした(^^)
小さいお子さんでも鼻吸いが痛くなくてスッキリするものと分かれば嫌がることも少なくなると思います。


私の娘はまだ2歳前なんですが、最近は自分で鼻吸いを持ってきて自分で吸います...(^^;)

Posted:2019.12.05 | Category: こどもの病気 医療系のお話 鼻

冬になり寒くなると子どもはよく鼻水を出します。
(もちろん大人もありますが)

その原因は様々で、風邪をひいていることもあるでしょうし、アレルギー性鼻炎の可能性もあります。
寒暖差が大きいだけでも鼻水がでることもあります。

じゃあ鼻水の対応は?


原因によって違ってくるので、一概には言えませんが基本的に鼻水が少し出ているくらいなら様子を見て良いというのが私の考え。


ただ、鼻水が増えすぎると...
鼻がつまってよく眠れない』『ミルクや授乳が飲みにくい』『咳もでてきた
などという症状がでてくることがあります。

特に小さいお子さんは自分で鼻を出すことも難しいので、症状が強くなりがちです。

ひとつ言えるのは、こういった症状がある時、鼻を吸ってあげるのは間違いなく良いことです。
鼻の手前の方に粘っこい鼻水がつまって、それを取るだけでも楽になることは結構あります。


もうひとつ。
『青洟(アオバナ)』が出るというのも病院を受診される理由としてとても多いです。
黄色かったり、緑色だったりするドロドロの鼻水ですね。
こういった鼻水は主に白血球がウィルスや細菌と戦った残骸のようなものです。


つまり青洟はウィルスによる風邪の時にでも出ます。
『青洟は風邪の治りかけ』的なことを言われることもあります。
ただし、風邪から副鼻腔炎まで起こして青洟が出てることもあり...

しかし、『青洟=副鼻腔炎』ではありません。
なので、青洟があればすぐ抗生剤というのは良くない。
副鼻腔炎でも軽いものなら自然と治ることだってよくあるわけで。

もちろん副鼻腔炎の時にも青洟はでますが、逆に出にくくなっていることもありますのでその辺りはなかなか難しい。
後鼻漏といって鼻水がのどに流れ込んで咳がでてるけど、前の方から鼻を見てもあまり悪くないってこともよくあります。



なんだか結論があるようなないような文章になってる気もしますが...(^^;)



じゃあ鼻水はどこまで病院に行かず、家で様子をみても良いのか?



なかなか難しい問題です。
上に書いたように『咳が多い』『鼻づまりで苦しそう』『授乳やミルクが上手く飲めない』などの症状があれば受診をお勧めします。
青洟も少量なら良いですが、ズルズルと大量にでている場合は受診された方が良いかと思います。



結論をまとめようとしましたが、年齢やアレルギー性鼻炎があったりなかったりでも変わってくるので、なかなか簡単には書けませんでしたm(__)m

Posted:2019.11.15 | Category: 医療用語 医療系のお話

前回からの流れでアレルギーのお話です。


経皮感作』という言葉、私も少し前から色んな文献などで目にすることが多くなりました。

読んで字のごとく『皮膚を経て感作する』という意味ですが、まず『感作』とは?

簡単に言うと、様々な食物やハウスダストなどに対して免疫が働きアレルギーを起こすようになってしまうことです。
つまり『経皮感作』とは『皮膚を経てアレルギーになる』ということです。


なぜこんなことがわかってきたのか?
もともと食物アレルギーは腸管からの感作で発症すると考えられていました。
しかし、小麦成分が入った石鹸を使用した方々が小麦アレルギーを発症し大きな問題になりました。
他にもピーナッツオイルを含んだ製品をスキンケアの為に使用していた方々がピーナッツアレルギーを発症したという報告もあります。


こういった流れから『皮膚を経たアレルギー』というものに対する研究が進んできたようです。


皮膚が正常であれば角質に守られアレルギーの原因となるような物質が入り込む隙間はありません。
しかし、皮膚に傷があったり、湿疹があったりすると異物が入り込んでしまいアレルギーが成立する原因となってしまうようです



特に乳児期にアトピー性皮膚炎があると、食物アレルギー、さらにアレルギー性鼻炎、気管支喘息というアレルギー関連の病気を次々と合併してしまうことがありこれを『アレルギーマーチ』と呼びます。
アトピーがあっても次のアレルギーを起こさないように、皮膚を良い状態に保つことが重要そうですね。


もちろん、アレルギー全てが皮膚を介して起こっているわけではないはずですし、環境や遺伝的要因もあると思います。
しかし、スキンケアがアレルギーの予防手段として重要であると考えて良さそうです。


スキンケアの具体的な方法などは皮膚科や小児科のアレルギーに詳しい医師の方々にお任せします(^-^;


ただ、こういうアレルギー等に詳しい医師の話を聞くと、まずは『保湿』というキーワードがだいたい出てきます。
保湿剤だけでもアトピー性皮膚炎の発症を予防できるという報告もあります。



やっぱりアレルギーは『鼻だけ』『皮膚だけ』ではなく、全身のことをしっかり考えて上手くケアしなきゃいかんですね(^^)/

Posted:2019.10.29 | Category: お薬の話 医療系のお話

前々回もインフルエンザ治療薬についてのお話でしたが、今回も。

イナビル吸入懸濁用160mgセット』というのが発売されました。

もともとイナビル(ラニナミビル)は1回吸入するだけで治療が完了するインフルエンザのお薬です。

inabiru01.png
こんなのです。


10歳以上はこれを2本、10歳未満は1本吸入すれば治療完了!

個人的には結構好きなお薬ですが、問題点がひとつ。
しっかりと吸入しないといけないということ。


しかもチャンスは1回です。
小さなお子さんや、ご高齢の方などはしっかり吸入できるか確認できるキットがありますので、それを使って確認してから処方するようにしています。


特に小さなお子さんは苦いタミフルを5日間飲むかどうか、1回の吸入で終わるかになりますので結構大事(^-^;
(もちろん、症状が軽ければ何もお薬を使用しないという選択もします)



で、今回新発売になったイナビル。

この吸入の問題を解決しようと作られたものだと思います。

inabiru02.png
こんな感じ。

直接飲むわけではないです(^-^;

これまでのイナビルと同様、吸入するのですが、その吸入方法が違います。


耳鼻科でネブライザーといって霧状のお薬をのどや鼻に吸わされた経験のある方は多いと思います。
そんな感じです。


inabiru03.png
こんなマスクがセットになっていて、お薬を霧状に噴射する機械に接続して吸入します。
つまり自分で頑張って吸い込む必要がないということです。


このお薬で気になることは、吸入の時間が10分ほどかかるらしいということ。
高熱があってきつがっているお子さんが10分間もじっと吸入できるか?ということですね。


あと、使用する機械は『ジェット式』というネブライザーが推奨されています。
耳鼻科では何人も並んでネブライザーするような場所が多いと思いますが、インフルエンザの方と他の患者さんに並んでネブライザーしていただくわけにはいかないです(^-^;


実際にどういった使用感なのかもまだ不明の部分もあります。
吸入が嫌で暴れちゃったら意味ないですしね(^^;)

というわけで、当院では新しいジェット式ネブライザーをこの薬用に導入するかも含めてまだ検討中です。

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